イラン国石油災害に対する緊急対応体制整備計画

背景と目的

イラン・イスラム共和国は、言うまでもなく、石油および天然ガス埋蔵量の豊富な国です。現在、その開発の中心は、イラン南西部の内陸およびペルシャ湾沖合にあり、そこでは、今後さらなる開発が計画されています。ペルシャ湾沿岸海域での開発が長期にわたるにつれ、開発と生産活動により、排ガス、排水、固形廃棄物が排出され、また、油流出事故も発生しています。環境保護の努力は行われているものの、地域の環境は悪化しているのが現状です。

このような中、JICAは、イラン政府からの技術協力の要請を受け、石油省ならびに石油省傘下の機関と共同で開発計画調査型技術協力プロジェクト「イラン国石油災害に対する緊急対応体制整備計画」を実施しています。プロジェクトは2012年の3月に開始され、2014年の2月に終了します。
プロジェクトでは、石油・ガス産業における海洋・沿岸環境管理システムおよび石油災害時の緊急対応システム向上のためのマスタープラン(案)が策定される予定であり、石油省が、石油・ガス産業分野において、ペルシャ湾および沿岸地域の環境管理能力を向上させることを目標としています。

  • 実施期間:2012年3月〜2014年2月
  • 実施機関:石油省健康安全環境局(HSE)

プロジェクトの概要

プロジェクトの目的は、プロジェクトの実施により、石油省に対して環境管理と効果的な石油災害対応の技術を移転することです。プロジェクト対象地は、沖合の石油・ガス開発地域および沿岸の関連工業地帯での開発行為により影響を受けている海域と沿岸地域です。パイロット地域は、マシャ、ハーグ島、アサルイェです。

調査は、第一次調査「油流出災害に対する海洋・沿岸環境管理と緊急対応体制の現状分析」、ならびに、第二次調査「石油・ガス産業における海洋・沿岸環境管理システムおよび石油災害時の緊急対応システム向上のためのマスタープラン(案)の策定」から構成されています。

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ハーグ島における協議

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油流出時の拡散モデルの研修

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日本での研修風景

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HSE(健康・安全・環境)マネージメントのワークショップ風景

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フレアガス削減のワークショップ風景