ペルーにおける障害児スポーツ指導力強化および普及促進プロジェクト

プロジェクト名

(和)ペルーにおける障害児スポーツ指導力強化および普及促進プロジェクト
(英)The project to strengthen the leadership promoting and expanding parasports for children with disabilities in Peru

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プロジェクト紹介動画

対象国名

ペルー

署名日

2022年1月31日

協力期間

2022年2月~2025年2月(計36カ月)

相手国機関名

日本・ペルー友好・国立障害者リハビリテーションセンター

日本側協力機関名

公益社団法人大分県理学療法士協会

背景

ペルー国家統計情報庁(INEI)によると、ペルーの貧困率は21.7%(2017年調査)と高く、農村部と都市部の格差だけではなく、リマ市内でも貧困層と富裕層との格差が著しい。ペルーにおける障害者の多くは極貧層の高齢者や子供たちであり、さらに障害の程度が比較的重い中・重度障害者が多くを占めている。多くの障害者は遠方からの通院が困難であることや、保険制度が脆弱であることが問題となり、満足なリハビリテーションが受けられていない。国立の専門機関として、ペルーのリハビリテーション医療をリードする重要な役割を担っている日本・ペルー友好国立障害者リハビリテーションセンター(INR)は、障害者の「生活の質」(QOL)の向上および自立支援を促すために障害児・者スポーツの取り組みを開始した。INRにおいて、特に心身障害児部の医師や理学療法士は、障害児スポーツに関する学ぶ機会がなく、指導技術力が不足しているため、障害児スポーツ指導に改善、活動の活性化が図る必要がある。またリハビリテーションを受けている障害児は、障害児スポーツの楽しさや喜びに触れる機会が乏しく、達成感が味わえていない。

プロジェクト目標

INRの医師や理学療法士が、疾病や障害の特性および発達段階に応じた障害児スポーツの評価や指導技術を向上することで、障害児の活動の機会が増える。

対象地域

リマ市チョリージョス区

成果

1.INRの心身障害児部門の障害児スポーツ運営能力が向上する。
2.INRの医師・理学療法士の障害児スポーツ指導能力が向上する。
3.障害児とその家族の障害児スポーツに対する関心が高まる。

活動

1-1.INR幹部とキックオフ会議を開く
1-2.INR障害者スポーツ委員会と定例会議を開く
1-3.障害児スポーツの四半期計画を一緒に作成する
1-4.コーディネーターにeラ-ニングと本邦研修を実施する
1-5.コーディネーターとモニタリングを実施する

2-1.ベースライン調査を行う
2-2.コーディネーターが、医師・理学療法士に対する本邦研修計画を立てる
2-3.INR医師・理学療法士(コアメンバー)の本邦研修を実施する
2-4.ビデオとルールブックを作成する
2-5.遠隔指導を実施する(コアメンバー及びその他の医師・理学療法士)
2-6.コーディネーターとコアメンバーが実地指導を行う
2-7.エンドライン調査を行う

3-1.啓発活動の計画を作成する
3-2.障害児スポーツパンフレットを作成する
3-3.障害児部門のスタッフが障害児と家族に対し、スポーツの効果に関するセミナーを開く
3-4.INRイベント時(視察受入、お祭り等)に障害児スポーツブースを設ける
3-5.障害児スポーツを支援する親の会を組織する
3-6.障害児スポーツ週間でスポーツ大会を実施する

日本側投入

プロジェクトリーダー1名(理学療法・業務調整)理学療法士7名(理学療法・障害者スポーツ専門家)
その他、大分県理学療法士協会会員
ペルー現地調整員(翻訳・通訳・渉外)1名、日本調整員(翻訳・通訳)1名、経理係1名

INR現地調査および指導者講習会参加(2023年)

1-1.INR心身障害児部障害児スポーツ現地調査
1-2.ペルー医師および理学療法士を対象とした障害者スポーツセミナーの参加、講演および指導
場所:INR
日程:2月1週間
参加者:日本側理学療法士 3名

日本での研修(2023年)

1-1.日本での研修
対象:心身障害児部を主体とした障害者スポーツ委員会医師および理学療法士 6名
内容:日本のリハビリテーション・理学療法の理解 障害者スポーツ・障害児スポーツ研修 大分国際車いすマラソン大会の参加
場所:太陽の家、別府医療センター、別府発達医療センター、西別府病院
期間:2023年5月3週間のうち1週間
対象:INR医師および理学療法士 6名

ペルー現地調査(2024年)

1-1.INR心身障害児部障害児スポーツ現地調査
場所:INR
日程:9月1週間
参加者:日本側理学療法士 3名

相手国側投入

国際協力室長 INR障害者スポーツ委員会委員長

医師 各1名 および 理学療法士 1~5名
INR障害者スポーツコーディネーター理学療法士 1名