田中理事長がウクライナ非常事態庁一行と意見交換:人道的地雷・不発弾対策能力強化への協力

2023年1月26日

クリキブスキ部長(前列左から2人目)、田中理事長(同3人目)、自らが開発した地雷探知機ALISを持つ東北大学佐藤教授(同4人目)

田中明彦JICA理事長は、1月23日、ウクライナ非常事態庁(SESU)のクリキブスキ国際技術支援部長及び同庁の8名の職員とJICA本部で意見交換しました。

冒頭、田中理事長は、1月18日にキーウでのヘリコプター墜落事故で亡くなったモナスティルスキー内務大臣を含む犠牲者への弔意を表明しました。そしてSESUがウクライナの人々の命と安全を守るために日々命を懸けて任務に当たっていることに敬意を表し、JICAは迅速に人道的地雷・不発弾対策能力強化に協力していきたいと述べました。また、ロシアによるウクライナ侵攻は明確な国際法違反、国際秩序への挑戦であり、SESUの活動は人々の安全・安心だけでなく、国際秩序への貢献でもあると伝えました。さらに、SESU一行が1月16日から20日にカンボジア地雷対策センター(CMAC)で地雷・不発弾対策研修に参加したことは、アジアによるウクライナへの協力という意味でも意義深いと説明しました。

これに対し、クリキブスキSESU国際技術支援部長は、ウクライナの国土の約3割(17万4千平方キロ)が地雷や不発弾により汚染されている可能性があり、地雷・不発弾対策は国民の安全・安心に不可欠で、ウクライナの復旧・復興の条件であると説明しました。また、農地の汚染によってウクライナの穀物生産と輸出が制約されることが世界的な食料危機にも繋がっている、と地雷・不発弾対策の重要性を強調しました。そして、先週のカンボジアでの研修はウクライナの地雷・不発弾対策の強化にとって極めて有意義であったと振り返り、日本政府と国民、JICAへの感謝を伝え、今後の協力の深化にも期待を表明しました。