エルサルバドル共和国(以下、エルサルバドル)では、都市と農村の経済格差が問題となっている。都市部と農村部の経済格差は顕著であり、世帯別で見た都市部の絶対的貧困率及び相対的貧困率が各々6.4%、23.5%であるのに対し、農村部の平均は各々10.4%、27.2%である(エルサルバドル経済省 2016)。特に、東部地域(モラサン県、ウスルタン県、サンミゲル県、ラ・ウニオン県)は、内戦による被害が最も大きかった地域であり、長い間開発から取り残されてきた。また、世帯収入が低いことから海外での出稼ぎ家族からの海外送金への依存度が高いことも同地域の特徴である(全国の送金受給世帯割合が約25%であるのに対し、…