フィリピン招へい者が来日ー仙台防災フォーラムでプロジェクト成果を発信ー

2016年4月4日

3月11日から15日にかけて、フィリピン台風ヨランダ災害の復興に取り組む被災地の自治体職員や国の出先機関職員など本プロジェクト関係者11名が日本を訪問しました。今回の招へいでは、宮城県仙台市で開催された防災未来フォーラムの企画イベントで彼らの復興経験を発表するとともに、その後東松島市を訪問して、東日本大震災からの復興経験や教訓を学びました。
3月12日の仙台防災未来フォーラムは、国連世界防災会議1周年の機会に、仙台・東北で復興や防災・減災に取り組んできた関係者等が集い、活動事例などを発表するとともに、国連防災世界会議で採択された国際的な防災指針である「仙台防災枠組2015-2030」を踏まえ、仙台・東北から未来に貢献する防災推進のために、何ができるのかについて考え、発信することを目的とした、仙台市主催で開催された市民によるイベントです。
JICAは、「Build Back Better 東日本震災の経験から、より強い世界へ」と題したセッションを企画し、本プロジェクト対象地域の一つであるタクロバン市役所の職員2名が、フィリピンでの復旧・復興への取り組みを発表しました。会場には約120名が参加し、セッションは盛況となりました。
計画官ジャニスさん、防災担当兼助役補佐ベルナダスさんは、プロジェクトが作成した高潮及び洪水ハザードマップを活用し、自治体のみならず地域社会の様々な関係者を巻き込んだ土地利用計画の改訂と避難計画づくりについて、東日本大震災の復興からの学びを交え発信しました。これらの発表内容は、前回お伝えした2月9日、11日にフィリピンの地方と首都それぞれ発表した本プロジェクトの成果でもあります(詳しくは台風ヨランダ復興の経験と成果を世界へ−地方と首都で発表会−(2016年2月29日)を参照ください)。台風ヨランダからの復興の取り組みを世界に向けて発信する貴重な機会となりました

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企画イベント会場の様子

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ベルナダスさんの発表

続いて、今回を含め計4回フィリピン招聘者を受け入れてきた東松島市役所の復興政策課高橋課長が、市の復旧・復興の取り組みと国際協力について発表しました。ご自身の被災経験を交えた話は参加者の心を強くひきつけました。復興は長く平たんではない道のりですが、強い意志を持って人々に寄り添いながら取り組むこと、国際協力を通じて共に学びあうこと、そのことが被災地市民の新たな気づきとなり、国際交流の更なる促進や地域振興につながる可能性があることが共有されました。

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フィリピン招へい者(フォーラム会場にて)

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東松島市高橋課長の発表