北澤豪 パレスチナの子供たちに夢を(2006年9月)(3/5ページ)

マサダの遺跡、死海で「サッカー」

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マサダの遺跡

それからジェリコより移動。有名な「死海」のそば、ユダヤ人が紀元後73年、ローマ軍に追われて篭城し自決した要塞遺跡マサダを訪問。残っている壁画などに当時に思いを馳せる一行。

その後、北澤、安彦、篠原さんは、あの全身水面に浮かんで新聞を読む光景でおなじみの死海に入り海水浴を体験。浮遊する不思議な感覚に「なんだこれー」。サッカーボールでオーバーヘッドキック!強烈な塩水が目に入り「うわ、痛ってー!」。真っ黒な泥のパックも体験しました。

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死海でもサッカー!泥パック

第1回サッカーイベント

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第1回サッカー教室の様子

いよいよ第1回目のサッカーイベントです。時刻は午後8時半過ぎ。ラマダン期間中のため暑さと空腹の日中は避けて、しのぎやすくなる夜の開催としました。ジェリコ市内のスタジアム(日本が国連機関に拠出した資金で建設されたもの)で4チームにわかれた70名の小学生高学年を対象に北澤さん、安彦さんによるサッカー教室が1時間半にわたって行われました。

グランドに入ってまず私たちを驚かせたのは、観客席で爆竹を鳴らし走り回る子供たち。その数と音は半端ではない。エネルギーの発散の場がなかなかないらしく、このようなイベントがあると舞い上がってしまい関心を引きたいがためにやってしまうとは後で聞いた話です。

さて、サッカー教室。グランドに集合していた子供たちはおそらくこれまで1人1個のボールを貸してもらったことなどないのでしょう。ボールに夢中ではしゃぎ回る子供たちに何とか整列してもらいました。「パレスチナの未来を支える子供たちにサッカーによって仲間を尊重しあう気持ちを養い、将来に向けた目標が作れればと思います」と挨拶。「指示をよく聞くこと。ルールを守って一生懸命やること。」と北澤さんが注意を与えウォーミングアップ。ゲーム感覚の中にもお互いのコミュニケーションを大切にした基礎練習を開始。

日本のジャンケンを教えたあと「ジェ・リ・コ」の掛け声でジャンケン。地面においたボールを勝った方が負けた方を追いかけてぶつける練習(瞬時の判断力を鍛える練習)などを行い、子供たちや各チームのコーチもこれまでやったことのない練習に興味津々の様子。北澤さんのユーモアを交えたメリハリのある指導に元気いっぱいグランドを駆け回りました。女子チームの技術もなかなかのもの。「見て見て!」「私といっしょに練習して!」。日本人の子供たちには少ない率直な自己主張にひとつひとつ応えていく北澤さんと安彦さんは大変です。

練習が終わっても、「キタザワ」、「アビコ」と呼びかけながら離れようとしない子供たちといっしょに記念写真をとりました。

サッカー教室の後は、ジェリコ市選抜チームと難民チームの試合が行われ、選抜チームが1-0で勝利。お互い汗まみれになった肩を抱き合いました。

やっぱりサッカーはすばらしい。