バルカン半島の知られざる国から人気旅行先を目指して「観光振興(セルビア、アルバニア、モンテネグロ)」

【画像】セルビア、アルバニア、モンテネグロ。これらの国々がどこにあるかご存知ですか?これらはヨーロッパのバルカン半島に位置する国々です。バルカン半島と聞くと、旧ユーゴスラビア紛争の舞台となった歴史的背景から危険なイメージを抱く方が多いかもしれませんが、今では平和となり多くの旅行者に訪問してもらおうと観光振興に力を入れています。まだまだ、日本人にとって馴染みの薄い国々ですが、豊かな自然資源や多様な文化を持つこれらバルカン地域の国々は新しい旅行先としてヨーロッパでは注目され始めています。

バルカン半島に位置する3か国は、まだ日本人旅行者は数えるほどしかおりません。そんな中、新しい旅行市場、特に日本人旅行者を増やすためのノウハウおよび、隣国同士が協力してバルカン地域として日本に売り込むことを学ぶため、3か国3名の研修員に対して1月13日から2月1日の日程で研修を実施しました。

山形研修旅行「日本の宿 古窯」で
おもてなし研修を受講する研修員

約3週間の研修日程の中には、旅行業界の方による実践的な講義に加え山形への研修旅行も行いました。山形では地元特産品を観光振興に生かす方法や、おもてなしを学ぶため、かみのやま温泉を訪問。3人は心のこもったおもてなしを受け、実際に体験をすることで日本人が求めるおもてなしや喜ばれる旅行者の受け入れ方を学ぶことができました。研修の様子は地元テレビや新聞でも取り上げていただいたので、山形の人々にとって少しでもバルカンの3か国が身近に感じられたのであれば嬉しく思います。(ニュース映像は関連リンクの山形テレビのホームページから閲覧可能)

アクションプラン発表会会場
多くの参加者が見学に訪れました

研修最終日の1月30日には、帰国後の観光プロモーションの提案をアクションプランという形にまとめ発表を行いました。発表会は一般公開としましたので、当日は3か国の大使館関係者、旅行業関係者、大学教授及び観光学を学ぶ学生等、合計17名の方々にご参加いただき盛大に実施されました。(関連リンク参照)

アクションプラン発表会で 
コメントするアルバニア大使

3か国の研修員にとっては、多くの方が自国に興味を示してくれたことは大変励みとなりました。アルバニア大使をはじめ旅行業界の方からも具体的なアドバイスやコメントを頂いたことは、今後の活動の参考となりました。また、学生からは、今まで知らなかった国だが発表を聞いて行ってみたくなった。発表や質疑応答を通して英語の勉強にもなった、などの感想が寄せられ、良い交流の機会となりました。

研修は終了しましたが、帰国後が正念場。セルビア、アルバニア、モンテネグロの3か国が日本人の人気旅行先となるための第一歩はスタートしたばかりです。これから3か国が協力をして、より多くの日本人に地域としての魅力を知ってもらうよう共同の観光プロモーションを開始することになります。将来的には3か国のみならず他の周辺国も巻き込んでバルカン地域全体として活動が展開され、より多くの日本人が訪れるようになることを切に願っています。

JICA東京 産業開発・公共政策課 武尾昭秀 (2014年2月)