バングラデシュの子供たちに笑顔を!持続可能な学校給食普及の仕組みづくり

6月18日は何の日かご存知ですか? “Sustainable Gastronomy Day”国連が定めた国際デーの一つ「持続可能な食文化の日」です。 また日本では、石川県旧鹿西町(現:中能登町)から日本最古の「おにぎりの化石」が発見されたことにちなんで「おにぎりの日」に制定されています。 今日は2023年10月に開始した日本・バングラデシュ文化交流会による「学校給食」の取り組みについてご紹介します!

2023年6月13日

草の根技術協力事業「持続可能な学校給食普及の仕組みづくり」開始! 

いよいよ持続可能な学校給食普及の仕組みづくりプロジェクトスタート!

 バングラデシュ西南部にあるジェソール県シャシャ郡は、インド国境に近く、米、ジュート(麻の一種の黄麻)、野菜などを栽培する農村地帯です。地域住民の多くが農業従事者で、零細農家・日雇い農業労働者など貧困家庭が大半を占めており、経済的に厳しい環境にあります。
 子供たちの食生活は1日2~3回食事を食べているものの、身近にとれる魚や野菜で賄われており、たんぱく質などの栄養不足により、貧血や成長不良の子供たちが沢山います。
 経済的困難から十分な食事を食べさせられないこと、母親に栄養や健康の知識がないことも要因のひとつです。また学校から保護者への連絡はテストの結果通知だけで、子供の健康や学習状況などの情報は提供されていないという問題もあります。
 本事業では、郡教育事務所と特定非営利活動法人日本・バングラデシュ文化交流会(以下JBCEA)が連携して住民参画の持続可能な学校給食を実施・管理する仕組みを整え、多くの子供達の栄養改善、教育環境向上、地域の健康意識向上を目指します。

給食のメニューのひとつ“ケチュリ”をご存知ですか? 

手洗いのトレーニングも実施!

バガチャラ・シャットマイル小学校の給食の様子。
メニューはみんなが大好きな“ケチュリ”

コロナ禍だったこともあり、学校給食のメニューは、大豆パン、大豆ケーキ、卵焼きサンドイッチ、バナナなどのメニューで実施していましたが、母親グループとのミーティング時にヒアリングを実施した所、母親たち全員が“ケチュリ”を希望しました。
ところで、みなさんは“ケチュリ”をご存知ですか?
バングラデシュでとても人気のある料理のひとつで、お米と一緒に豆や野菜をターメリックパウダー等のスパイスと一緒に炊き込むご飯です。バングラデシュの人々は雨の日にケチュリを食べると言われています。雨の日は体が少し冷えるので、そんな時にケチュリを食べると体が温まって元気になるからだそうです。日本もこれから梅雨の季節なので、ケチュリを作ってみてはいかがでしょうか。

本事業では地元産の大豆を使ったケチュリの導入を試験的に実施しました。児童が1日に必要な栄養素の1/3を目指して1食分の材料を決めています。子供たちにどのメニューが一番好きか尋ねた所、みんな“ケチュリ!”と笑顔で答えてくれました。

学校給食を持続可能にするために・・・

母親グループを作るためのミーティングの様子

バガチャラ・シャットマイル小学校の母親グループのワークショップ

本事業では、郡教育事務所とJBCEAが協働で、学校給食普及の計画、役割分担、学校の選定、モニタリング・指導の仕組みを作り、学校給食の運営・管理を行っていきます。

学校給食を持続可能にするために大切なこと!
それは学校・保護者・地域住民に働きかけ、地域の皆さんに参画してもらうことです。JBCEAは住民参画による持続可能な学校給食普及の仕組みづくりをめざし、住民と共に実施体制を考えながら取り組んでいます。中でも母親たちのネットワークづくりはとても大切です。栄養・健康のワークショップの実施、情報交換の場を作ることで、地域の理解と協力を促進します。
地域住民参画の持続可能な学校給食は、子供たちが健康になり、栄養や衛生等、健康の教育にもつながります。そして何より充実した学校生活は“子供たちの笑顔”につながります!