カンボジア王国(以下、「カンボジア」という。)の首都プノンペンでは、急速な人口増加(約100万人(1998年)から約150万人(2008年))と都市化により汚水量が増大しているが、下水道施設は未整備のため、汚水は腐敗槽から排水路を通って湖沼・湿地帯で自然浄化される仕組みとなっている。しかし、腐敗槽は適切な維持管理がなされておらず、実態は、汚水が不完全な処理のまま放流されている。また近年、開発事業に伴う湖沼・湿地帯の埋め立てが進み、自然浄化機能が低下している。特にチェングエック湖は、面積が2003年から2015年にかけて大きく減少し、汚水放流による水質悪化が著しい。また、処理区内の排水路を流れる…