カンボジアの公的保健医療サービスの提供体制は、内戦後の1990年代前半と比較し質・量ともに改善し、首都プノンペンを中心に基本的保健医療サービスの提供体制が整いつつある。この結果、5歳未満児死亡率(2000年:106、2019年:27、出生1,000対、2019)や妊産婦死亡率(2000年:488、2017年:160、出生10万対、2017)の削減等、国全体では母子保健を始めとする基礎保健指標改善の成果が上がっている。他方、病床数をはじめとする保健医療施設や、医療従事者数については、世界保健機関(以下、「WHO」)が示すユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(以下、「UHC」)達成に必要な水準には達し…