エルサルバドルにおける新型コロナウイルス感染症対策のための緊急支援-保健省等へCOVID-19対策用資機材を供与-

2021年9月30日

JICAエルサルバドル事務所は2021年9月29日、新型コロナウイルス感染症対策として、防護用資機材(マスク、防護服等)及び検査用資機材(パルスオキシメーター、赤外線体温計)を保健省及び緊急移送を担当するNPO等の6つの機関に供与しました。

JICAは2016年8月から「病院前診療の能力強化プロジェクト」を通じて、保健省緊急医療局及び救急搬送機関(警察、消防、NPO)の病院前診療提供者(救急搬送者)の能力強化を行い、同国首都圏における質の確保された病院前診療の提供、さらに同国全域における質の確保された病院前診療の普及のための支援を行ってきました。そして現在、同プロジェクトのカウンターパートである保健省緊急医療局が緊急搬送機関とともに、通常業務の救急救命だけではなく、コロナウイルス感染者の病院搬送を担当しています。

今回の資機材供与は、同プロジェクトで養成された病院前診療提供者の安全の確保に資するものであり、これにより質の高い救急搬送が可能となり、病院前診療提供者の安全だけではなく、搬送者の生命の安全の確保にもつながることが期待されます。

供与式典には、保健省関係者及び緊急搬送機関の代表が臨席し、ベアトリス・クララ保健省緊急医療局局長と小園勝JICAエルサルバドル事務所長が資機材供与に関する合意文書に署名しました。式典スピーチにおいて、同局長からは、本資機材はコロナウイルス感染拡大の最中において時宜にかなった支援であるとして謝意が述べられました。また小園所長からは、パンデミックの中で予想外の事態に対処しながら人命救助にあたる同国の関係者への尽力に敬意を示しつつ、本プロジェクトの成果の普及への期待を伝えました。

エルサルバドルは、昨年7月の第一波及び今年1月の第二波に続き、今年7月より第三波の最中にあり、9月の新型コロナウイルス感染症による月間死者数は最多の319人を記録。病院の患者受入体制も限界に近づきつつある中で、医療用マスク等の不足が緊急的な課題となっていました。

JICAは、エルサルバドルにおいてパンデミックとの闘いに立ち向かう様々な関係機関と協力していきます。

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資機材供与に関する合意文書への署名(左から緊急医療局総務担当長、JICA所長、緊急医療局局長、緊急医療局研修担当長)

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供与物品

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JICA、緊急医療局、救急搬送機関の代表者

(写真)エルサルバドル国政府提供