エルサルバドル東部のバイパス建設事業の一部区間完工式に大統領が出席

2021年11月8日

2021年10月28日、エルサルバドル東部のサンミゲルで、JICAが建設を支援する幹線道路「サンミゲル市バイパス」の一部区間の完工式典が行われ、出席したブケレ大統領が日本の支援に感謝の意を表しました。

サンミゲル市バイパスはJICAが円借款でその建設を支援しており、総延長およそ21キロメートル、総事業費は163億円(うち円借款対象126億円)にのぼる一大プロジェクトです。エルサルバドルは内戦の被害などにより東部の開発が遅れています。サンミゲル市はその東部の中心都市ですが、都市化によって交通渋滞が慢性的に発生しており、これが人の流れや物流を妨げ、経済発展の阻害要因になってきました。サンミゲル市バイパスはこの渋滞の解消と交通輸送能力の増強を目指すもので、エルサルバドルを東西に横断するパン・アメリカン・ハイウェイの一部を拡幅し、サンミゲル市を迂回する道路を新設するとともに、2つの川にかかる橋を建設します。

建設は4つの区間から構成されますが、このうち、パン・アメリカン・ハイウェイを拡幅する区間の工事が終わり、2021年10月28日、当該区間の完工式典が催されました。式典にはブケレ大統領やロドリゲス公共事業・運輸大臣、有吉日本国大使、小園JICA所長のほか、地元住民など200人あまりが参加しました。式典の中でブケレ大統領は「東部地域はいつも見捨てられてきた。投資はほとんどなされず、住民に利益がもたらされることはなかったが、このプロジェクトで地域の50万人以上の住民が便宜をうけることになる」と述べ、日本の支援に感謝の意を表明しました。また、有吉大使は「ブケレ大統領は東部地域の開発に重点を置いており、日本としてその開発に協力できることは光栄だ」と述べました。式典会場には多くのメディアも詰め掛け、複数の新聞の一面で式典の様子が取り上げられたほか、大統領府のTwitter(注)では26回にわたり、プロジェクトに関するツイートが発信されました。

今回完工した区間は、首都サンサルバドルや西部地域からサンミゲル市に入る直前の区間3.5キロメートルで、片側1車線だった道路が2車線に拡幅され、自転車専用道路のほか、地元の学校の近くには歩道橋も設けられました。開通した区間では早速、乗用車やトラック、バスが次々と走行していました。

プロジェクトではすでにその他の区間の建設工事が始まっており、2024年の全面開通が見込まれています。

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ブケレ大統領のスピーチ(出所)大統領府

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有吉日本国大使のスピーチ(出所)大統領府

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(左上)大統領と日本国大使、(右上)公共事業・運輸大臣、(左下)日本国大使夫人、(右下)JICA所長 (出所)大統領府

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地元住民の皆さん(出所)大統領府

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