平成13年度 第1回

1.日時:

平成13年4月6日(金)12:30〜13:45

2.出席者:

(委員)
外務事務次官 川島裕、総務事務次官 嶋津昭、財務事務次官 武藤敏郎、文部科学事務次官 小野元之、厚生労働事務次官 近藤純五郎、農林水産事務次官 熊澤英昭、経済産業事務次官 広瀬勝貞、国土交通事務次官 小野邦久、環境事務次官 太田義武、内閣府官房審議官 薦田隆成(代理出席)
(外務省)
経済協力局長 西田恒夫、経済協力局有償資金協力課長 北野充
(国際協力銀行)
総裁 保田博、副総裁 篠沢恭助、副総裁 長瀬要石、理事 岩田満泰、理事 河村悦孝、理事 浜中理事、理事 河野善彦、開発金融研究所長 藤本耕士、総務部長 山本拓、開発業務部長 丹呉圭一、開発金融研究所副所長 宮入宣人

3.議事次第:

(1)会長選出及び挨拶

(2)国際協力銀行総裁挨拶

(3)国際協力銀行海外経済協力業務の業務運営について

4.審議経過:

(1)国際協力銀行山本総務部長からの各委員及び国際協力銀行側出席者の紹介に引き続き、会長の互選が行われ、全委員一致で川島外務事務次官が会長に選出された。なお、会長代理については、追って必要の都度指名されることとなった。

(2)引き続き、国際協力銀行保田総裁より挨拶が行われた。

(3)次に、平成13年度海外経済協力業務事業計画、最近の円借款新規承諾の概況、「21世紀の開発途上国の社会資本」調査研究について、国際協力銀行から説明がなされた。

(4)上記を受け、出席各委員から発言があり、その主なものは以下の通り。

  • 国際協力銀行が金融機関として融資の形態で資金供給を行っている以上、途上国の債務負担・債務返済能力をより一層吟味の上、借款供与の必要性を検討することが必要である。
  • 我が国の援助が途上国の既得権益化しないようにすることが重要である。特に、年次供与国に対する供与については、十分な配慮が必要である。
  • 途上国における開発課題に対する政策改善の状況を踏まえて、援助を考えることが重要である。
  • 海外経済協力業務のあり方を検証する観点から、今後とも評価の充実が重要である。
  • 特別円借款は当初予定期間の2/3を過ぎ、制度の趣旨に沿った一層の活用が図られるよう、更なる優良案件の発掘、迅速な審査をお願いする。
  • 途上国に対するエクイティによる支援を行う海外投融資業務の活用も重要な取り組みのひとつであり、今後、民間企業を主体としたインフラ整備に対する出資による支援を期待している。
  • 途上国IT包括支援について、国際協力銀行のIT分野への積極的な支援を期待している。
  • 途上国の通信ネットワークインフラ整備については、特に途上国内の地方部での整備は遅れているので、優先度を上げて頂きたい。
  • 教育・医療分野におけるIT利用の促進、防災、保健衛生に大きな役割を果たす放送に対する円借款を積極的にご検討頂きたい。
  • 円借款事業による留学生の受け入れは今後とも積極的に対応していきたい。
  • 保険医療福祉や上水道、労働政策などの基礎的生活分野への援助は、途上国の社会の安定や経済発展のために極めて重要であり、この分野における協力の一層の推進をお願いしたい。
  • 途上国は、厳しい食料事情に直面しており、農業生産、農村開発等に関する支援を推進する必要がある。一方で、最近の野菜等の輸入急増に関し関係方面から強い懸念の表明もあり、その実施にあたっては慎重に対応頂きたい。
  • 環境問題については、地球規模で取り組む必要があり、植林を中心とした農林業協力は積極的に取り組む必要がある。
  • 経済・社会インフラ整備は、経済成長や国民生活の向上に寄与するものであり、引き続き本分野への円借款につき、ご配慮頂きたい。
  • 民間を含めた我が国の経験・技術・知見を活用した「顔の見える援助」が重要であると認識しており、特別円借款制度の活用と更なる拡大・発展に期待するとともに、技術評価を重視した調達の推進をお願いする。
  • 開発に伴う環境配慮の手続き等について、環境配慮に有益な情報を早期に集め計画に反映する仕組みが重要であると考え、相手国との環境部署との連携など、途上国の環境対処能力の向上にも資するよう運用することが重要である。
  • 効果的・効率的に途上国支援を行っていく上で、「持続的な発展の実現にどれほど役にたつか」という観点から、案件を評価・審査していくことが重要であり、戦略的環境アセスメントの考え方が重要である。
  • 途上国内の環境保全事業を育成することが重要であり、国際協力銀行がODAと民間投資等双方を扱うメリットを活かして取り組んで頂きたい。
  • 円借款を始めとする経済協力を通じた途上国の経済開発の促進は、我が国の経済的利益にも資するものであるが、経済協力全体の今後のあり方について経済財政政策の観点や国民の厳しい意見を十分に踏まえてオープンに議論していくことが重要である。

以上