協議会議事概要 平成17年度 第1回

1.日時:

平成17年11月15日(火)12:30〜13:45

2.出席者:

(委員)
外務事務次官 谷内正太郎、財務事務次官 細川興一、農林水産事務次官 石原葵、国土交通事務次官 佐藤信秋、環境事務次官 炭谷茂、内閣府大臣官房審議官 西達男(代理出席)、総務省総務審議官 平井正夫(代理出席)、文部科学省国際統括官 井上正幸(代理出席)、厚生労働省大臣官房国際課長 妹尾吉洋(代理出席)、経済産業省貿易経済協力局長 石田徹(代理出席)
(外務省)
経済協力局有償資金協力課長 相星孝一
(国際協力銀行)
総裁 篠沢恭助、副総裁 田波耕治、副総裁 森田嘉彦、理事 古屋昭彦、理事 岩下正、理事 武田薫、理事 齋藤浩、開発金融研究所長 田辺輝行、専任審議役 荒川博人、総務部長 矢島浩一、開発業務部長 岡村邦夫

3.議事次第:

(1)開会・会長挨拶

(2)国際協力銀行挨拶

(3)年次報告書2005、円借款活動レポート2005について

(4)平成18年度予算要求

(5)最近の円借款状況

(6)ミレニアム開発目標(MDGs)と国際協力銀行の取り組み

(7)質疑応答

4.審議経過:

(1)冒頭、会長の谷内外務事務次官から開会の挨拶(概要以下)が行われた。

  • 本年は、国連等の国際場裡において、貧困撲滅と開発の問題が重要な課題として取り上げられ、ODAの重要性が国際的に改めて広く認識されることとなった。我が国では「骨太の方針2005」にODA事業量の戦略的拡充が明記され、7月のグレンイーグルズ・サミット、9月の国連首脳会合においてODA事業量の増額の方針を表明。今後、これらの国際的・国内的な公約を果たしていく上で、また、ミレニアム開発目標の達成やイラク復興等の平和の構築、パキスタンにおける地震災害等、喫緊の課題に対して積極的に取り組んでいく上で、円借款をはじめとする海外経済協力業務の果たす役割は極めて大きい。また、国民の理解を得、こうした業務を進めていくためにも、援助の質の向上及び効率化にさらなる努力を払っていくことが必要。

(2)引き続き、国際協力銀行篠沢総裁から挨拶が行われた。

(3)次に、年次報告書2005、円借款活動レポート2005、平成18年度予算要求、最近の円借款状況、ミレニアム開発目標(MDGs)と国際協力銀行の取り組みについて、国際協力銀行から説明が行われた。

(4)上記を受け、出席各委員から概要以下のとおり発言があった。

  • ODAについては、事業量の戦略的拡充を図ることとされている一方で、大変厳しい財政事情を踏まえ、援助の質をさらに高めることが求められている。一層効果的な業務を行う上で、メリハリのある案件選定、国別アプローチの強化、途上国の制度政策環境改善への取り組み、国際機関等との連携強化、案件監理・評価・監査の充実が重要。
  • 世界的に資源エネルギーの獲得競争が熾烈になってきている中で、国際協力銀行の果たす役割は大きく、引き続き案件発掘や形成に期待。また、本邦技術活用条件(STEP)は、顔の見える援助、我が国技術のデファクト・スタンダード推進のために非常に有効な仕組みであり、STEP案件の推進が重要。また、官民パートナーシップ(PPP)等ODAと民間活力の連携やアフリカ開発も重要。
  • インフラ整備の重要性を踏まえ、貧困削減、我が国産業の国際的な事業展開の支援及び防災や災害復興等について、STEPの活用を視野に入れた、円借款による支援及び我が国の知見や技術等の一層の活用が重要。
  • 今後の取り組みにおいては重点地域、重点分野の明確化が重要。また、事後評価において第三者評価やレーティング制度の導入を行っているが、引き続きPDCAサイクルの確立に向けた取り組みが重要。また、国際防災協力は我が国の防災に関する経験、技術等により大きな貢献ができる分野であり、今後災害の予防と緊急支援、復興・復旧と各段階において一層の国際協力の推進が重要。
  • ミレニアム開発目標の達成に向けた取り組みとして、農林水産業の持続的な発展を通じた貧困削減の取り組みは非常に重要。また、鳥インフルエンザの問題については、農業にも大きな影響を与えるものであり、国際機関と連携の上、対応が必要。さらに、ODAの戦略的活用への配慮、国内農業への配慮と専門省庁の有する知見の活用を要望。
  • 環境案件は着実に実績が上がっており、CDM/JI事業をはじめ、温室効果ガスの排出抑制に寄与する事業の推進等、引き続き積極的な取り組みが重要。
  • 通信は社会生活の基盤的部分であり、教育分野や医療分野等における活用も重要であることから、開発途上国の持続的成長に貢献する通信インフラへの支援が必要。
  • 国立大学法人化された国立大学のうち52大学が、中期計画において途上国協力に貢献することを表明。また、国際協力銀行と大学の協力協定は11件にのぼっており、大学等の連携や国民参加が拡大していることを評価。
  • 保健医療、上水道及び人材養成等は、開発途上国の社会の安定や経済発展の基礎となる分野である。特に感染症は国境を越え、急速に広まる可能性があるという点で、国際協力の重要性がますます高まっている。感染症対策のための体制整備、持続可能な都市水道の整備の支援については、有償、無償、技術協力等の各種スキームが連携をして、効果的な協力を実施していくことが重要。

以上