人材育成奨学計画(Japanese Grant for Human Resource Development Scholarship)

1.事業概要

人材育成奨学計画は、政府の「留学生受入10万人計画」の下、1999年度に新設された無償資金協力による留学生受入事業です。

当事業では、「対象国において将来指導者層となることが期待される優秀な若手行政官等を日本の大学院に留学生として受け入れ、帰国後は、社会・経済開発計画の立案・実施において、留学中に得た専門知識を有する人材として活躍すること、またひいては日本の良き理解者として両国友好関係の基盤の拡大と強化に貢献すること」を目的としています。

案件名は「人材育成奨学計画」です。英語では「The Project for Human Resource Development Scholarship」、当初は「Japanese Grant Aid for Human Resource Development Scholarship 」としていた経緯があり、略称は「JDS」です。

2.対象国および留学生人数

事業開始当初よりアジアの市場経済移行国を主な対象としてきましたが、その後フィリピン・スリランカ等が加わり、2012年度からはアフリカ地域として初めてのガーナも対象国として追加になりました。また、2016年度からはネパールが加わる予定です。対象国及び受入上限人数は外務省が決定します。

2015年度には12ヵ国から241名の留学生を受け入れ、これまでに来日した留学生は3,434名に上ります。

【受入実績】

(単位:人)

【図表】受入実績

3.実施方法

対象国と日本の両政府は、対象国において、対象国政府及び日本国大使館、JICA事務所等から構成される、同事業に関する運営委員会を設置します。同委員会は主に、1)実施方針、2)事業日程、3)受入分野、4)受入大学、5)選考方法、6)留学候補生確定 について協議・決定します。

4.受入大学および受入分野

本事業では、基本的に英語修士号を取得できる大学に留学生の受入をお願いしています。年に一度の要望調査において留学生受入に関心がある大学から、特定の国、課題への指導について、提案書を提出していただき、対象国運営委員会と受入大学を検討します。

なお、2017年度以降、各対象国のニーズを順次確認した上で、原則としてJDSによる修士学位取得者を対象とする博士課程(後期)への受け入れも開始する予定です。

受入分野は、社会科学系を中心とし、行政、公共政策、経済、法律など、各国の重点分野および開発課題と関連のある分野を、運営委員会が決定します。平成21年度受入からは新方式を採用しており、「学術分野」ではなく、我が国の当該国に対する国別援助計画に照らし、調査にて当該国の「援助重点分野及び課題」(サブプログラム/コンポーネント)を選定し、4年間固定した事業枠組み(分野、受入大学等)のもとで留学生を受け入れています。

【各国の受入分野】

国名 2016年度 受入分野
サブプログラム コンポーネント
カンボジア 経済基盤の強化 経済インフラの整備(社会インフラ・電力インフラ)
民間セクターの強化(機械産業等産業振興・情報通信産業振興)
経済開発
農業・農村開発
社会開発の促進 教育の質の改善
ガバナンスの強化 行政機能の強化
法制度整備と運用
国際関係の構築
ラオス 行政能力向上及び制度構築 行政強化・法制度整備
財政強化
持続的な経済成長のための基盤整備 社会経済開発のためのインフラ整備
投資・輸出促進に係る経済政策
持続可能な農業・農村開発と自然環境保全 農業・農村地域開発
自然環境保全
教育政策の改善 教育政策
保健政策の改善 保健政策
ベトナム 成長と競争力強化 市場経済システム強化
交通インフラ整備・都市開発
エネルギー安定供給
脆弱性への対応 農業・地方開発
環境・気候変動・防災
ガバナンスの強化 司法機能強化
行政機能強化
ミャンマー 国民の生活向上のための支援 農業・農村開発
防災
保健行政/政策
経済・社会を支える人材の能力向上や制度の整備のための支援 法律
公共政策/行政
経済/経営
国際関係
教育開発・計画
持続的経済成長のために必要なインフラや制度の整備等の支援 ICT
運輸/交通
電力/エネルギー
都市開発計画
フィリピン 雇用機会の創出に向けた持続的経済成長 経済・産業政策,投資促進政策(特に中小企業振興支援)
サブプログラム1を達成するための重点事業に関連して行政官の能力向上が特に必要な分野(交通インフラ,生計向上事業)
コンポーネント1-2に該当する分野における行政官の専門分野の知見向上
ミンダナオ地域開発/バンサモロ自治政府設立支援 公共政策
インフラ整備/産業振興
モンゴル 鉱業セクターの持続可能な開発とガバナンスの強化 環境に配慮した鉱物資源開発
資源収入の適正管理を含むガバナンス強化
すべての人々が恩恵を受ける成長の実現に向けた支援 企業経営/政策立案
公共政策
ウランバートル都市機能強化のための支援 開発工学
都市環境改善
ウズベキスタン 経済インフラの更新・整備 経済インフラの更新・整備(土木工学・都市工学/電気工学・機械工学/鉄道工学)
市場経済発展と経済・産業振興のための人材育成・制度構築支援 ビジネス環境整備
法体系整備
公共財政運営管理
農業・地方開発 農業・水資源管理
保健政策・行政
キルギス 平和と安定のための政策立案能力の強化 公共政策 含:国際関係/平和構築
経済政策/ビジネス振興政策
産業開発のための政策立案能力の強化 運輸政策
農業政策/地域開発政策
タジキスタン 持続的な経済発展のための制度作り 経済開発
持続可能な開発のための公共政策の強化 公共政策 含:国際関係/平和構築
国際関係
スリランカ 経済成長基盤整備のための人材育成 公共政策・財政
開発経済
ビジネス環境整備
環境配慮・防災
バングラデシュ 行政機能の改善 行政能力の向上
経済計画及び政策に係る行政能力向上
法的能力及び政策に係る能力の向上
都市/農村計画及び政策に係る能力の向上
公共財政管理及び公共投資管理に係る能力向上
ネパール 持続可能で均衡のとれた経済成長のための社会基盤・制度整備 経済政策
産業振興政策
平和の定着と民主国家への着実な移行 行政運営能力強化支援
国際関係の構築
法制度整備支援
ガーナ 行政能力向上・制度整備 経済政策運営能力強化支援
地方農村部の活性化 基礎生活環境の改善(保健政策実施能力強化支援)
農業・農村振興 稲作振興・農業開発支援
資源・エネルギー エネルギー開発支援

5.関連資料

【参考】実施代理機関 関連ホームページ(2016年3月現在)
【様式】2015年度受入大学要望調査 関連資料(終了済み)