• ホーム
  • ニュース
  • トピックス
  • 2020年度
  • 【新型コロナに挑むJICA帰国研修員:日本での学びを活かし、各国で大活躍!】第2回 ウガンダ・エジプト:緊急事態の現場で、知見がアクションにつながる

【新型コロナに挑むJICA帰国研修員:日本での学びを活かし、各国で大活躍!】第2回 ウガンダ・エジプト:緊急事態の現場で、知見がアクションにつながる

2020年5月27日

日本でJICAの研修を受け、母国に戻った「帰国研修員」たちがそれぞれの国で新型コロナウイルス対策に奮闘する姿を追うシリーズ第2回はウガンダとエジプトからです。日本同様、感染拡大という不安と懸念が広がるなか、医療スタッフをとりまとめ、リーダーシップを発揮して行動し、危機を乗り越えようとする研修員たちを紹介します。

医療スタッフが安心してケアに取り組めるように:ウガンダ

「新型コロナの感染拡大が見込まれるやいなや、病院のスタッフと今後想定される状況を話し合い、チームを作って必要な物資の確認し、準備を進めました。このような的確な動きができたのは、ニーズに応じ、リーダーシップをとって行動することの重要性を研修で学んだからです」

そう語るのは、ウガンダ南西部の地方都市マサカの地域中核病院の看護師タゲヤ・ソフィア・ブルハンさん。国内で3月21日に感染が確認されて以降ずっと、病院で感染予防に向けた取り組みを進めています。

【画像】

タゲヤ・ソフィア・ブルハン看護師

ソフィアさんは昨年、JICA沖縄で実施された「公衆衛生活動による母子保健強化研修」に参加しました。この研修は、戦後の沖縄の公衆衛生活動の取り組みを参考に、保健人材の育成などを目指すもの。「これまで自分が行っていた看護サービスのあり方について、研修を通じて見直すことができました」とソフィアさんは言います。

ムワンガ・モーゼス医師

ウガンダで新型コロナ感染患者を受け入れるエンテベ病院の院長として陣頭指揮にあたっているムワンガ・モーゼス医師は、2009年に「院内感染管理指導者養成研修」(JICA東京)に参加した一人です。「研修で学んだコミュニケーションの手法がこの危機下で、大変役に立っています」と語ります。

医療スタッフを感染から守り、安心して患者のケアにあたれるよう気を配り、チーム一体となって業務に取り組める体制は、今回のような不安と懸念がとりまく緊急事態対応には非常に重要です。

ウガンダ保健省によると、5月25日現在、感染者数は212名(死亡者数0名)で、感染拡大防止に向け、ソフィア看護師やムワンガ医師の奮闘はこれからも続きます。

全国の医療施設で院内感染を防ぐ知識を伝える:エジプト

国立国際医療研究センター(東京都)で2020 年1月に実施された「医療関連感染管理指導者養成研修」に参加する各国の研修員ら

JICA東京で2017~2019年度にかけて実施された「医療関連感染管理指導者養成研修」は、病院内の感染対策強化に向けて、各国の感染管理担当者や国立病院で感染管理を監督・指導する職員が対象です。まさしく今、この研修に参加した研修員たちが各国の医療施設で院内感染防止対策に奮闘しています。

JICA東京で研修の振り返りを発表するエジプト保健・人口省のナサール・モハメド・メタワリヘディさん

「感染経路別の予防策、ガウン、手袋の使い方、手洗いの方法など、研修で学んだすべての知識をエジプト中の医療施設に伝えています」と言うのは、エジプト保健・人口省で院内感染防止対策の先頭に立つナサール・モハメド・メタワリヘディさん。エジプトは、5月25日現在、感染者数が17,967名(死亡者数783名)に達しました。さらなる感染拡大が懸念されるなか、今年1月の研修で学んだ経験が活かされています。

院内感染防止などを議論する危機管理委員会の様子。正面奥の議長席に座るナサールさん

研修から帰国後、ナサールさんは全国の医療施設を巡回し、院内感染の予防に向けた講習を実施。予防方法の徹底などに向け危機管理委員会を設置し、有事に備えていました。

また、WHO(世界保健機関)が感染防止に向けて正しい手洗い方法を広めるために始めたキャンペーン「セーフ・ハンズ・チャレンジ」に、ハラ・ザイード保健・人口相も参加。ナザールさんは「研修で手洗いの重要性を学んだことがきっかけです」と力強く言い、研修で学んだ新型コロナに挑むためのさまざまなノウハウを、率先して厳しい現場で実践しています。