つながる世界と日本

食料を外国からの輸入に頼っていると、どんな困ることがある?
食料を外国からの輸入に頼っていると、どんな困ることがある?

食料を外国からの輸入に頼っている日本は、世界で起きる様々なできごとの影響を受けやすくなっています。
実際、2020年には新型コロナウイルス感染拡大の影響で、国内の供給を安定させるためとして、ロシアが小麦の輸出を一時規制するという動きもありました。このように、世界情勢や輸入先の国の経済・社会事情や輸送の障害などによって、日本に十分な食料が届かなくなることもあり得るのです。

日本の一次エネルギー供給構成の推移

「食料自給率」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。「食料自給率は」、国内で消費される食べ物が、どのくらい国内生産によってまかなえているか(自給できているか)を示す割合です。
食料自給率は、品目によって異なります。例えば、日本国内でたくさん作られている米は100%となっていますが、外国で多く生産されている肉類や大豆などでは低水準となっています。
また、食料の多くを輸入に頼っている日本は、先進国のなかでも食料自給率が低い国です。

我が国と諸外国の食料自給率

※「食料自給率」には、単純に重量で計算することができる品目別自給率と、食料全体について共通の「ものさし」で単位を揃えることにより計算する総合食料自給率の2種類があります。このうち、総合食料自給率は、熱量で換算するカロリーベースと金額で換算する生産額ベースがあります。

日本の食料自給率が下がってしまった理由

日本の食料自給率は、低下傾向が続いています。ピークだった1965年度は73%でしたが、2000年度以降は、40%前後で低迷しています。政府は10年後の2030年度に食料自給率を45%まで引き上げるという目標を掲げましたが、達成には程遠い状況です。 

食料自給率

日本の食料自給率が下がってしまった理由

日本の食料自給率が下がってしまった理由

大きな理由のひとつは、私たち日本人の食生活の変化にあります。戦前は、国内で生産されている米・野菜などを使った食事が中心でしたが、戦後の復興に伴い食生活が洋風に変化していきました。国内生産が少なく、外国からの輸入が多い小麦を使ったパンやパスタ、飼料や原料の多くを輸入に頼る畜産物(肉類)や油脂類の消費が増加したのです。日本の食料自給率の低下には、こうした“食生活の変化”が大きな影響を与えています。
また、田んぼと畑の面積が住宅地に変わるなどで減ってしまったり、会社に勤める若者が増えて農業を仕事にする人の数が約50年前に比べて約80%減ってしまっていること、65歳以上の人が約60%を占めているなどの高齢化による労働力不足も課題となっています。

これから私たちにできること

海外で何かが起きた場合でも、いつもの食生活をある程度維持できるようにするためには日本の食料自給率を高めていく必要があります。同時に、食料自給率が比較的高い米や野菜、魚などとバランスよく組み合わせて取り入れていくことも大切です。 

このページの先頭へ戻る