
世界的な脅威、感染症に立ち向かう
ヒトの移動とともに、ウイルスも海を越えて広がるグローバル社会。新型の感染症が問題視される一方で、いまだ世界規模で流行している感染症も多くあります。ここでは「三大感染症」を通して感染症問題について考えてみましょう。
※感染者数はいずれも推計値




HIV
HIVウイルスに感染した人の血液、母乳、精液、膣分泌液などの様々な体液によって感染します。HIVウイルスに感染し発症すると、他の病気に対する抵抗力がなくなって、いろいろな病気にかかります。病気が進行すると死亡することがあります。サハラ以南のアフリカ、ロシア、アジア、中南米の一部の地域で流行しています。
マラリア
マラリア原虫をもった蚊(ハマダラカ属)に刺されることで感染する病気です。
世界中の熱帯・亜熱帯地域で流行しており、1週間から4週間ほどの潜伏期間をおいて、発熱、寒気、頭痛、嘔吐、関節痛、筋肉痛などの症状が出ます。
結核
結核は、結核菌に感染することによってかかる病気で、人から人へうつります。肺結核患者の咳やくしゃみなどによって、空気中に結核菌が飛び散り、周りの人がその結核菌を吸いこむことにより感染します。世界中で発生していますが、特にアジアとアフリカで多く発生しています。
出典:厚生労働省 検疫所 FORTH


過去10年間で三大感染症の感染者数は減少したものの、いまだ年間約250万人が死亡しており、アフリカや一部の南東アジア地域では主要な死因となっています。また、SARS、インフルエンザなどの新興感染症は、気候変動や災害、ヒトの移動等と相まって世界的な脅威となっています。


感染者数は全世界で6億6700万人、死者数は680万人を超えました。この世界的な大流行は人々の健康だけでなく、生活面や経済面にも大きな影響を与えています。感染症の流行を防ぐためには、さまざまな対策が必要となります。
出典:WHO 「Coronavirus Disease (COVID-19)」