
小学校で、児童への
読み・書き・計算の授業。
- 大倉 優枝さん一般
- ザンビア/
ザンビア 難民居住区内小学校 - 職 種小学校教育
- 派遣期間2018年1月~2020年1月
難民居住区内の小学校で教壇に立つこと1年7ヶ月。
持ち前の前向き思考と創意工夫で楽しく課題解決に挑むうち
他の先生たちからも一目置かれる存在に。
私が配属されたのはコンゴ民主共和国、アンゴラ、ブルンジ、ルワンダ等の難民の居住区内にある小学校です。そこで5~7年生の生徒に向けた体育・音楽・美術・家庭科といった実技科目、課外活動としてのクラブ活動を現地の先生とともに取り組んでいます。
この地区の中では最も歴史が古い学校で多くの生徒がいますが、生徒の数に対して教師の数が十分とは言えません。また、教材が不足しているため、身近なものを工夫して授業を実施して行くことが求められています。
学費を払えずに途中で学校に通うことを諦める生徒も多くいるほか、同じクラスに在籍していても学力に大きな個人差が生じていることも問題でした。
5~7年生の生徒に向けた読み・書きの授業などの担当教員でしたが、途中で「アシスタントのような立場の教員が日本から来た!教える科目が減った」という風に誤解されてしまい、メインの教師が休みがちになってしまいました。
その結果、当初予定していなかったことを担当することになり、その場で教科書を開いてすぐ教えられるのが算数だけだったんです。突然のことで面喰いましたが、その時から本来受け持っている自分の授業時間の一部を使って算数も教えはじめました。教えていくとみんな算数・掛け算を大変苦手としていて、これはなんとかしないと、と思いました。
100マス計算などを一方的に指導するだけでは生徒たちの興味を引くことができませんでしたので、インターネットで調べた英語の歌に合わせて掛け算をそらんじる方法に変えてみました。一人で歌えたらまずスタンプ、2の段、3の段と段ごとに言えた生徒は名前を張りだし、さらに合格したらスタンプ、週ごとにシール。最後、全部言えたら私のお手製のおめでとうカードをあげます。この覚え方・ご褒美は好評で私がいないときでもクラスリーダーの女子が前に出てきて先導して、みんなで掛け算の歌を練習するほどになりました。
他の先生たちもその効果に驚き、「うちのクラスでも実践したいので、やり方を教えてほしい」とお願いされるまでになりました。
私は大学を卒業してすぐにJICA海外協力隊に応募し赴任しました。私のように経験を多く積む前にJICA海外協力隊として活動することの良さは、いろいろなことを素直に吸収できる点だと思います。そのおかげもあり、日本とは授業の進め方や指導方法などが異なるザンビアでの活動を楽しむことができています。
帰国後は、日本で教員として経験を積みたいと思っています。ザンビアの小学校での2年間の経験や、子どもたちを取り巻く日本とは違うリアルな状況を日本の子どもたちに伝えられる先生になれたらいいなと思っています。