局長からの挨拶

コロナを越えて

局長からの挨拶

青年海外協力隊事務局に参りまして1年半が経ちました。その内の約1年間は新型コロナウイルスの世界的感染拡大の中で、皆様と共に事業を進めてまいりました。まず初めに、この間に国内外の関係者の皆様から頂いたご支援とご協力に心から感謝申し上げます。2020年3月から4月にかけての全世界からの一斉一時帰国、その後の約1年間に亘る国内待機、昨年末から徐々に開始されている再派遣、いずれも皆様のご支援あってはじめて前に進むことができました。

この1年間は、私にとりまして、海外協力隊について新たな気付きと確信を得る機会でもありました。

改めて確信を得たのは、この事業が隊員と国内で事業を応援してくれる多くの方々の思いや行動に支えられていることです。今回の隊員達の帰国、そして待機に際しては多くの方から「隊員達は大丈夫ですか」とのお声掛けをいただきました。まるでご自身の家族を心配されているような思いが感じられ、改めてこの事業が国の事業であると同時に、応援いただく方々の隊員への思いに支えられた事業であることを実感し、胸が熱くなりました。同じように、隊員の再派遣を待ちわびていただいている各国の方々も、日本の国際協力への期待と共に、隊員を通して日本の人々の思いや気持ちに再び触れることを心待ちにされていると思います。そして、何よりもこの1年間、たとえ国内にいようとも歩みを止めることなく、常に「今できる事」に取り組み続けた隊員達の力強さと輝きは、私たちに希望を与えてくれました。これらは本事業の3つの目的(注1)に通じる、この事業の真の価値であると胸に刻みました。

多くの気付きも得ました。オンラインやSNS等を効果的に活用する隊員達の活動はこの事業の新しい可能性です。また、待機中に国内の課題解決に取り組む隊員達の姿は、協力隊活動を経て磨かれる資質や活動から得られた経験が、地方創生や多文化共生社会の実現を目指す日本各地で大いに役立つことを改めて示しました。

赴任を果たしコロナ禍を越えて新しい協力隊活動を実践されている方、派遣をお待ちいただいている方、悔しさを胸に新たな一歩を踏み出された方、今まさに夢の実現に向けて一歩を踏み出そうとされている方、その全ての皆様の思いと共に、ウィズ・コロナ/ポスト・コロナの世界と「第二・第三の開国」を迎えた日本でより一層輝きを増す事業とできるよう、皆様と一緒に引き続き邁進してまいります。何卒、変わらぬご支援のほどよろしくお願い申し上げます。

独立行政法人国際協力機構(JICA)
青年海外協力隊事務局長
小林 広幸

注1 JICAボランティア事業の主な目的
(1)開発途上国の経済・社会の発展、復興への寄与
(2)異文化社会における相互理解の深化と共生
(3)ボランティア経験の社会還元

知られざるストーリー