[協力隊百景]
観光 × エクアドル








石原裕介さん(2015年度2次隊)

いしはら・ゆうすけ●1985年生まれ、東京都出身。学習院大学を卒業後、タンザニアの旅行会社に勤務。2014年、英国で観光学修士号を取得。15年10月、協力隊員としてエクアドルに赴任。17年10月に帰国。

先住民「キチュア」のコミュニティでエコツーリズムに関する講習を行う石原さん

現地の観光資源を調べるために先住民「キチュア」のコミュニティを訪ねた石原さん

石原さんにとって協力隊とは?

「現地の人々と共働する国際協力の最前線」

 石原さんが配属されたのは、エクアドル・パスタサ県の観光課。同県は大半をアマゾンの森林が占め、貴重な動植物が見られるジャングルのエコツアーが観光業の柱となっている。石原さんが取り組んだのは、その活性化だ。
 当初は、日本人観光客を誘致する道を探った。しかし、「アマゾン」と聞いて日本人が想起する国はブラジルが一般的。思うような結果は出なかった。
 そこで石原さんは、それまで海外からの観光客のメインだった英語圏やスペイン語圏の国からの観光客を増やす活動に力を入れることにした。そのひとつとして、アマゾンの森林で暮らす先住民を対象に、エコツーリズムに関する講習を実施。地域の自然や文化を守っていけば、より多くの観光客を呼ぶことができ、その収入は地域の自然や文化を守ることに役立つ。そうした「観光と環境の両立」について伝える講習だ。その意義に配属先の同僚たちが賛同。彼らの発意で、ほかの村々でも同種の講習が実施されるようになっていった。

知られざるストーリー