[協力隊百景]
剣道 × セルビア








公文ひとみさん(2015年度2次隊)

くもん・ひとみ●1968年生まれ、高知県出身。大学卒業後、公立中学校の英語科教諭に。剣道6段。勤務校では剣道部の顧問を務めた。2015年9月にシニア海外ボランティア(※)としてセルビアに赴任。17年9月に帰国し、現在はスイス・レザンの高校で寮母を務める。
※ 派遣名称は派遣当時のものです。

欧州剣道選手権大会で準優勝を遂げたセルビアの女子代表チームと公文さん(左から5人目)

公文さんが指導したセルビア女子代表チームの稽古

公文さんにとって協力隊とは?

「人生後半への転機と自信を与えてくれた存在」

 公文さんの配属先はセルビア剣道連盟。首都ベオグラードの数カ所にある剣道クラブの巡回指導にあたったほか、女子代表チームの監督も務めた。
 着任当時、女子の剣士は層が薄かったことから、公文さんはクラブを超えた女性対象の稽古会を週に1度のペースでスタート。やがて、参加者たちには「共に切磋琢磨しよう」という意識の薄さが見えてきたため、公文さんは稽古の後に一緒にお茶を飲みに行ったり、お好み焼きを振る舞うパーティーに招いたりして、チームワークの醸成に注力した。すると、その後結成した女子代表チームは抜群のチームワークを見せ、欧州剣道選手権大会の団体戦で準優勝を収めたのだった。
 任期の終盤には、国際大会に向けた男女混合の集中練習会も開催。そこでは若手リーダーの育成にも努めた。彼らが主力となった代表チームは、公文さんの帰国直後に行われた世界剣道選手権大会の団体戦で男女ともベスト8入り。男女の若手リーダーたちは敢闘賞を受賞したのだった。

知られざるストーリー