JICAのバックアップ体制

JICAでは、派遣前・派遣中・帰国後の各段階で、JICA海外協力隊をバックアップしています。ここではその主なものを紹介します。参加への不安が少しでも軽減されるよう努めています。

訓練所に入る前

派遣前訓練でスムーズな学習を可能にするために、訓練所に入る前にインターネット上での語学の事前学習や、技術・技能の向上のための研修制度を設けています。

[語学]
事前学習…インターネット上で学べる語学教材(eラーニング)などを用意。

[技術]
技術補完研修(対象者のみ)…受入国からの要請に的確に応えることができるよう、実務的な技術・技能の向上および教授法習得のための研修を実施。
講座事前学習…JICA海外協力隊として国際協力活動を行うために、必要な基本知識をインターネット上で学べるように教材を用意。

派遣前訓練(長期派遣者向け)

派遣前に実施される訓練では、現地で円滑な活動を行えるよう、語学講座をはじめ、安全・健康管理意識や異文化理解を促進する内容の講座を用意しています。訓練期間は約70日。訓練は集団合宿制で、長野県の駒ヶ根訓練所、福島県の二本松訓練所のいずれかで行われます。

[語学]
現地での活動と生活に必要な語学力を身につける語学講座。6人程度の少人数クラス制で、ベテラン講師による語学の特訓を集中的に行う。
※ 語学講座数=約210コマ(1コマ=50分)
※ 語学力や過去のJICA海外協力隊経験の有無など、一定の要件を満たす場合には、語学訓練免除者向けの派遣前訓練を受ける場合があります。

[語学以外の講座]
内容は、「活動手法」「社会的多様性理解・活用力」など。これによりJICA海外協力隊に求められる「国際協力・JICAボランティア事業の理解」「使命感」「主体性」 「協調性」「実務能力」「異文化(他者)理解・適応力」「危機管理能力」などの強化を図る。

[健康(講座以外)]
訓練所は診療所を設けており、看護師が常駐し、カウンセラーも配置。また、派遣国の感染症・伝染病を予防するための予防接種を実施している。

派遣前訓練紹介動画

派遣中

現地に設置されたJICA事務所(※)が安全面・健康面を含めて支援を行います。
※ 派遣国の業務の規模により「支所」となる場合があります。

[語学]
派遣国に到着後、訓練所で学んだ語学を実践的なものにするため、ホームステイをしながら語学を学び、生活に慣れる期間が約1カ月設けられる。

[技術]各分野の技術に精通している技術顧問(※1)を青年海外協力隊事務局(※2)に配置。隊員が技術面で困難な問題に直面した際に、アドバイスを得ることができる。
※1 職種によっては配置がない場合があります。
※2 JICAボランティア事業の実施機関。日本のJICA本部(東京・千代田区)にある。

[経費]
赴帰任の旅費、現地生活費、住居費(派遣国から適当な住居の提供がない場合)などは、JICAが負担。

[安全]
現地の治安状況や犯罪防止策、交通安全対策、公共交通機関利用時の注意などの情報提供のほか、通信連絡手段の確保、必要に応じて住居の防犯対策強化を行うなどあらゆる面から安全をサポート。

[健康]
在外健康管理員(日本の看護師免許取得者)を配置し(※)、健康管理に関する相談、病気・医療情報の提供、現地医療事情の調査、傷病発生時の対応を行う。また、必要に応じて現地医師と顧問医契約を結んでいる。
※ 派遣国によっては配置されていない場合があります。

帰国後

進路開拓を支援する制度などを設けています。

[進路相談カウンセラー/青年海外協力隊相談役の配置]
就職・進学をはじめとした各種情報の提供や、帰国後のキャリア相談に対応する人員を全国に配置。

[自治体・企業向け帰国報告会・交流会の実施]
帰国隊員の採用を前向きに考える自治体および企業が集まり、帰国隊員と交流する会を開催。この会がきっかけで就職が決まる人も。

[進路情報ページによる情報提供]
国際協力キャリア総合情報サイト「PARTNER」で帰国隊員用の求人情報を提供。

[教育訓練手当の支給]
帰国後の進路開拓に役立つ技術・技能の習得または免許・資格の取得につながる教育訓練に対して、JICAが支援金を支給。

[帰国後研修の実施]
帰国後の進路開拓・現職参加者の職場復帰・社会還元に役立つ内容の研修を実施。


※ JICA海外協力隊経験者等優遇措置
近年、JICA海外協力隊の経験を評価する自治体、教育委員会、大学が増加しています。協力隊経験者に対し、特別選考制度を設けている自治体や教育委員会、また入試などで優遇措置を取っている大学・大学院については、JICA海外協力隊ウェブサイト内の「JICAの支援制度」をご覧ください。

知られざるストーリー