希少職種図鑑 [ラグビー]

職種概要

派遣中:3人
累計:34人
分類:人的資源
活動例:ラグビーの普及や技術の向上を目指した指導 など
類似職種:–

※人数は、青年海外協力隊派遣実績、2019年4月30日現在。

話=伊藤悠理さん(スリランカ・2016年度2次隊)

Q メインの活動は?

任地のキャンディで学校の16歳以下のチームの子どもたちに対して味方が倒されたときのサポートの方法について教えている伊藤さん

 スリランカ第2の都市キャンディにある中央州ラグビー協会に所属し、同地域を中心にラグビー普及、競技力向上を行いました。現地の小・中・高校生世代の基礎競技力向上が日常的な活動でした。
 ラグビーの基本的な技術をはじめ、ケガや反則につながる危険なプレーが多いことが問題となっていましたが、具体的な解決策がない状態だったので、指導者や選手への指導を通して安全面の改善を目指しました。また、いかにラグビーを楽しめるかを目標にしました。
 配属先の同僚や、活動をしていく中で知り合った現地の指導者と一緒に、巡回して活動を行いました。モデル校として重点的に指導するチームのほかに、指導者のいないチームや、新たにラグビーチームをつくる学校を訪問し、ラグビーを教えました。

Q 活動の最大の困難は?

 着任して1年が経ったころ、指導するチームの練習の出席率の低さや練習中の態度の悪さ、成績が上がらない現状にいら立ちを感じ、自分自身のモチベーションが低下していました。「このチームに自分は必要とされていない」と思い、現状が変わらなければ指導対象を変更しようと考えていました。

Q どう解決しましたか?

 同職種の隊員や日本でラグビーを指導されている方に相談し、多くのアイデアをもらいました。特に「『日本からわざわざ来てラグビーを教えてやっているんだ』という思いでいたら、絶対にうまくいかない」という言葉に刺激を受けました。
「~があったら…」「~のせいで…」という言い訳をする前に、現状を踏まえてできる限りの対策を考え、何よりも自分が楽しめるような練習を行うように心がけることで、チームとのすれ違いが減っていきました。

Q 同職種の後輩隊員にメッセージをお願いします。

 派遣人数が少ないということは、前例に捉われない活動ができるということだと思いながら、自分にできることを考えて2年間を過ごしました。ラグビーだけに捉われず、何事にも挑戦することが大事だと思います。活動内容や職場の環境は思い描いていたものとは全く異なるかもしれません。それでもラグビーを楽しんでいる現地の人々、子どもたちの笑顔が頑張れる原動力になります。自身にとっても学びと成長の多い2年間になります。ぜひ楽しんでほしいと思います。
 ラグビーワールドカップ日本大会も開催目前です。世界中でラグビーを盛り上げましょう!

伊藤さん基礎情報





【PROFILE】
1992年生まれ、新潟県出身。小学1年生からラグビーを始める。2016年に早稲田大学文化構想学部卒業後、同年10月に協力隊に参加。18年10月に帰国し、19年1月より日本ラグビーフットボール協会国際協力部担当として後輩隊員のサポート、国際交流イベントの企画に携わる。並行してNPO法人ワセダクラブでラグビー指導を行う。

【活動概要】
スリランカの中央州ラグビー協会に所属し、同地域を中心にラグビー普及、競技力向上を行う。
●近隣地域の学校のラグビーチームへ巡回指導
●出張でのラグビー教室指導
●ラグビーイベントの企画、実行 など


伊藤さんの過去のインタビューはこちら

知られざるストーリー