【新春特別企画】誌上書き初め大会
〜CENTRAL AND SOUTH AMERICA〜

セントビンセント

岡さんの活動概要:セントビンセント視覚障害者協会に配属され、障害者の所得向上支援や障害の啓発活動に取り組んでいる。

“笑いと上機嫌ほど、うつりやすいものもない”(英語)
岡 優樹さん(マーケティング・2018年度3次隊)

英国の作家、ディケンズの引用ですが、配属先の人たちは本当によく笑い、そういう雰囲気づくりを大事にしたいので、この言葉を選びました。

2020年の抱負
1年目の2019年は、視覚に頼らないで日常生活を営む人たちと活動するという異文化に、日々驚きでした。そのなかで、私は彼らの目となり口となり、彼らの活動を積極的に発信し、テレビ取材を受けることができ、彼らに大きな注目を集めることができました。20年のテーマは営業力。1年目は広報・啓発活動はある程度うまくいきましたが、商売はいまいちでした。少しでも多くのお金を彼らが稼げるように知恵を絞り、動きたいと思います。



“注意を無視すればトラブルになる”(英語)
ダニエル・チャールソンさん(岡さんの同僚/配属先のメンバー)

直訳は「鶏は逃げる前に鍋に入れろ」です。英語に訛りがあるカリブ諸国のどこでも通じ、言いやすく、ウィットに富むから選びました。

2020年の抱負
健康に過ごすこと、それが一番です。もうずいぶんと長く同僚のアズランから習っている家具の修理も一人前になりたいです。もちろん、ユウキが教えてくれるクラフトも。それから、私はクリケットが好きなのですが、機会があれば久しぶりにやりたいです。2019年はユウキを通して新しい人に会ったり、知らなかったことをたくさん知ることができたから、20年も新しい人に会ったり、新しいことをたくさん知れたらいいなと思います。

アルゼンチン

西尾さんの活動概要:ラプラタ市メルコフロール花市場に配属され、日系人農家に花き栽培を指導している。

“まあまあ”(マス オ メノス/スペイン語)
西尾清二郎さん(日系社会シニア・ボランティア/花き栽培・2018年度3次隊)

アルゼンチンの人たちの生き方そのものを表している言葉だと思います。この環境、この空気が、心地よく日本人としての呪縛を解いてくれます。

2020年の抱負
アルゼンチンの土を踏んでから、早くも10カ月になります。あんなに盛り上がったラグビーワールドカップも、人生2度目の五輪も蚊帳の外ですが、2020年はそれにも勝る経験をこの国で体験できる幸せを噛みしめたいと思います。この国の花き産業を盛り上げてきた日系移民の皆さんとともに、将来を見据えた花き栽培の方向性を探りつつ、これまでの地固めの上に何かを残せるよう、後半の活動を楽しく充実したものにしたいと思っています。



“再会”(レーエンクエントロ/スペイン語)
高橋靖宏さん(西尾さんのカウンターパート/日系花き栽培農家)

ボランティア活動を終えて帰国された方々が、またアルゼンチンを訪問され、再会できるのが楽しみです。

2020年の抱負
私は人生の3分の2をアルゼンチンで生きています。その間に、数多くのボランティアの方々と交流を持ちました。その方々が言葉の壁、習慣や文化の違いなどから、持っている知識を十分に伝えられない場面を数多く見てきました。日系社会と交流して情報を得れば、もっと充実した活動ができると思います。西尾さんは、それをされているボランティアの1人です。これからも、西尾さんのようなボランティアの方とともに仕事をしていきたいです。

パナマ

中野さんの活動概要:ベニグノトマスアルゴテ中・高等学校に配属され、授業法の共有や、地域の小学校と中学校の連携づくりに取り組んでいる。

“調子はどうだ”(メト/スペイン語)
中野景太さん(数学教育・2018年度1次隊)

任地周辺の方言です。この言葉が村人との間の距離を縮め、私をボケテーニョ(任地の村人の総称)にしてくれました。

2020年の抱負
2020年の抱負は、「今を大切に生きること」です。パナマでの活動も残り半年ほどになりました。19年は配属校の校舎が工事で3カ月ほど使えず、机や黒板のない環境で授業が行われ、大変な時間を過ごしました。残りの半年間は、お世話になった同僚や生徒のために一生懸命働き、彼らと過ごせる残りわずかな時間を大切にしたいです。また、帰国後はパナマの人々のように「敬天愛人」の心構えを大切に、自分の可能性を広げていきたいです。




“無敵”(インベンシブレ/スペイン語)
リリア・ピティさん(中野さんのカウンターパート/配属校の数学教師)

常にこの言葉を胸に秘めることで、さまざまな困難に立ち向かうことができます。

2020年の抱負
2020年の目標は、生徒のためにより良い授業を一生懸命模索する一方、地域の小学校の先生たちが数学を魔法のように教えられるよう活動を続けることです。19年の活動では、ボランティアとお互いの経験を共有し、教育の改善をするために必要なさまざまなことが学べ、非常に有意義でした。学びたい意欲のある生徒や、授業法について質問をしてくれる地域の小学校の先生たちのために働くのがとても楽しかったです。20年も継続していきます。

チリ

安藤さんの活動概要:テムコ市地域リハビリテーションセンターで、利用者向けの体操指導や在宅生活の援助指導に取り組んでいる。

“新たな一歩を踏み出す”(サリール アデランテ/スペイン語)
安藤登己子さん(シニア海外ボランティア/理学療法士・2017年度3次隊)

困難や苦境に立ち止まらず、常に前を向いてそこから抜け出そうとする強い意志とたくましさを感じる言葉です。

2020年の抱負
2020年の1月には真夏のチリを離れて雪の降る富山へ帰国します。多くの仲間に恵まれて充実した活動でしたが、19年末にチリ国内での混乱が起きてからは十分な活動ができず、やり残した気持ちが大きいです。この経験から、帰国後は、日本在住の外国人の方が困難な状況にある時にお手伝いができたらと思っています。もちろん、ラテンで学んだ明るく楽しく大笑いしながらのリハビリも、日本の高齢者の方々のために実践したいです!





“共感”(エンパティア/スペイン語)
ベレン・サラサールさん(安藤さんの同僚/配属先の作業療法士)

仕事では日々、多くの利用者さんと接しますが、それぞれの人の立場に立って考えることがこの仕事にとって大切だから、この言葉を選びました。

2020年の抱負
平和な状況で大好きな仲間たちと一緒に仕事をし、そして大好きな人たちと一緒の時間を共有することが2020年の願いです。そのためにも、現在、混乱の中にあるチリが平穏さを取り戻し、社会的に納得できる環境ができるだけ早く整うように望んでいます。(安藤さん注・個人第一主義が目立つチリの人たちの中で、彼女の対人姿勢には常に「相手のことを思いやる」心を感じます。国も文化も世代も異なるベレンですが、私の大切な友人です!)

知られざるストーリー