【新春特別企画】誌上書き初め大会
〜MIDDLE EAST/EUROPE/OCEANIA〜

ミクロネシア

田中さんの活動概要:コスラエ州政府の資源管理局に配属され、小学校での環境教育や地域住民への環境啓発活動に取り組んでいる。

“話す”(シャム シャム/コスラエ語)
田中大樹さん(環境教育・2019年度1次隊)

コスラエ島へ来て、話すことの大切さ、話さなければ伝わらないことが多いことを感じ、この言葉を選びました。

2020年の抱負
2020年の抱負はコスラエ語の向上です。現状は、子どもたちとの何気ない会話も仕事の会議も、同僚の力を借りないと理解するのに時間がかかります。少しでもコスラエの方々と距離を縮められるように、そしてこの島の方々の力になれるように、毎日島の多くの人と話し、コスラエ語で仕事が支障なくできるレベルまで向上させたいです。19年は多くの方々に助けていただいてばかりだったので、20年は少しずつ恩返しできたらと思います。



“がんばれ”(カンパレ/コスラエ語)
ビトゥイン・ティルファスさん(田中さんの同僚/配属先の職員〈GIS specialist〉)

コスラエ島には「がんばれ」にあたる言葉がありませんでしたが、昔、日本人がこの言葉を持ち込みました。人々が「カンパレ」と言うと希望が湧き、辛いこともできるようになり、あきらめない力になります。

2020年の抱負
2020年の目標は2つあります。1つは日本語を学ぶことです。昔、コスラエ島では、私の祖父を含め、多くの人が日本語を喋ることができました。いつか日本を訪れ、日本文化を学ぶために、祖父のように日本語を話せるようになりたいです。2つ目は、私の専門であるGISのスキルを高めることです。ドローンを使い、コスラエの人々のためにわかりやすい3Dマップをつくることで、人々の生活を向上させることが目標です。

キリバス

三島さんの活動概要:国内最大の基幹病院の救急外来部に配属され、現地看護師の知識の底上げや彼らへの技術指導に取り組んでいる。

“幸運を”(テケロイ/キリバス語)
三島史織さん(看護師・2019年度1次隊)

日常では「元気でね」「よい週末を」というニュアンスで使用されます。他者の幸せを考える言葉が自然に発せられるのは素敵だと思いました。

2020年の抱負
配属当初より同僚看護師とともに患者さんの治療・処置に当たり、その都度知識・技術の助言に努めてきました。約4カ月が経過しましたが、これからが大事な時期だと思っています。キリバスは医療物品や薬などをすべて輸入に頼っているため、必要なときに必要なものが準備できていないということが多々あります。より円滑な治療が行えるよう、限りある医療環境だからこそ、物品管理の徹底・感染対策に取り組んでいきたいと考えています。



“こんにちは”(マウリ/キリバス語)
ナカウ・シオンさん(三島さんの同僚/配属部署の看護師)

キリバスでは昼夜を問わず使われる言葉で、初対面でも知り合い同士でも、このひと言で挨拶と「元気?」という問いかけができます。

2020年の抱負
救急看護は専門性の高い分野です。原因が特定されていない患者さんの症状を観察し、サインを見落とさないよう自分の知識を駆使しつつ、マネジメントしていくことが求められます。さらに、小児から高齢者までさまざまな年代の患者さんに関する知識を持つ必要があります。そのため、救急外来の看護師は、最新の知識と技術を取り入れていくことが求められます。2020年は、勉強会や海外研修で自身の知識や技術を高めていきたいと思います。

セルビア

宮城さんの活動概要:ベオグラード障害者スポーツ協会に配属され、障害者へのスポーツを通した余暇の支援やスポーツ選手育成に取り組んでいる。



“ありがとう”(フヴァラ レポ/セルビア語)
宮城勇也さん(障害児・者支援・2018年度3次隊)

セルビア人は、何に対してもすぐにお礼を言います。感謝の気持ちを伝えることは、どこでも大切なのだと実感します。

2020年の抱負
セルビアに来て早1年が経とうとしています。任地での生活、配属先での活動にもだんだんと慣れてきたところです。初めのころは、言語の壁や人々の時間の概念などにより難しさを感じることもありましたが、今では活動でかかわる子どもや同僚との関係性も良く、充実した日々を過ごすことができています。2020年は、躊躇せずに自分からイベントを提案できるように努めていきたいと思います。残りの時間を悔いのないように楽しみます。










“幸せな仕事”(スレチャン ラードゥ/セルビア語)
イェレナ・ラディヴォイェビッチさん(宮城さんのカウンターパート/配属先の職員)

仕事をがんばっていることを互いにたたえ合うときに使う言葉です。日本語の「お疲れ様」に近いニュアンスだと聞きました。

2020年の抱負
2019年は、日本人ボランティアを受け入れるなど、私たちの協会にとっても新しいことにチャレンジした1年でした。宮城隊員と一緒に活動することで、私たちも多くを学ぶことができましたし、日本人ボランティアが配属されていることが、多くの方に協会の活動を改めて知ってもらえるきっかけになりました。20年も、宮城隊員を含めたメンバーで、さらに協会の活動の幅を広げていけるようがんばっていきたいと思います。

イラン

小松さんの活動概要:ラシュト市土木・都市空間整備機構に配属され、日本庭園の計画設計に取り組んでいる。

“友情”(ドュシティ/ペルシア語)
小松 清さん(短期SV/造園・2019年度派遣)

造園設計でペルシア語の文字をモチーフにした線形の導入を検討していたときに、ペイマンさんが私のつくった設計図(写真で小松さんが手にしているもの)を見て、「滝の流れの箇所が『ドュシティ(友情)』と読める」とアドバイスしてくれました。刮目(かつもく)です。

2020年の抱負
2019年は、イランと日本の外交関係樹立90周年のタイミングで、日本庭園をつくる計画がスタートし、そこに私はSVとして参加しました。ちょうど70歳で、古代世界を席巻した庭園様式を持つイランで日本庭園をつくれるなど、身に余る栄誉です。20年にはこれが完成します。楽しみです。これからも機会があれば挑戦し、いろいろなことを見聞したいと考えています。若い人がもっと国際協力の世界で活躍するのを望みます。





“友情”(ドュシティ/ペルシア語)
ペイマン・ハジシャフィーファさん(小松さんの通訳者・翻訳者)

JICAのお手伝いをした経験があり、今回は通訳者や翻訳者の立場で日本庭園の勉強をすることができました。両国の友情が永遠に続くことを願います。

2020年の抱負
2019年はラシュト市に日本庭園をつくるプロジェクトのお手伝いをしました。会議での通訳や技術資料の翻訳もあり、大変でしたが、有意義だったと思います。20年は造園工事をする年です。日本庭園が完成したら、家族や親友を案内し、庭園内に配置される予定の「つくばい」や「灯籠」、「心字池」(「心」をかたどった池)の話をします。また、19年には忙しくて行くことができなかった家族旅行も楽しみです。

知られざるストーリー