派遣中:1人
累計:6人
分類:人的資源
活動例:図書館での図書・資料の整理・分類、データベース化 など
類似職種:学芸員
※人数は、2020年4月30日現在。
コロンビア国立衛生研究所の附属図書館の同僚たちと大口さん。大口さんの右後ろがカウンターパート、右が一番お世話になった同僚
同図書館の入り口
同図書館の館内。医療や公衆衛生といった専門書が5000冊以上保管されている
配属先の国立衛生研究所の附属図書館に配属されました。創設から100年以上経っているので、古書も多く保存状態が良くない書籍も少なくありません。そのため知的財産の保護とその利活用方法として、デジタルライブラリ構築案があり、その構築のため私が配属されました。現地職員は熱い気持ちはあるのですが、何が必要か、何から始めれば良いかなど、具体的な方針や計画がない状態でした。
そこで、最初の1年間でカウンターパート(以下、CP)や現地職員へのヒアリングを行い、事業計画の策定、デジタルライブラリ構築に必要な要件の洗い出し(要件定義)、必要機材の選定や機能検討などの設計(基本設計・詳細設計)を進めました。その後は、CPや配属先の協力もあり、PC、スキャナなどの機材の調達ができたので、職員はスキャンなどデータ保存、私はデータ保存のシステム構築、インターフェース開発を行いました。ある程度形になったところで、私の帰国後も運用ができるよう、職員向けに運用やメンテナンス周りの技術教育を行いました。
関係者は皆協力的で、デジタルライブラリ構築に大変興味があるようでしたが、「自分以外の誰かがやってくれるんでしょ」という姿勢でした。各職員に作業が割り振られるのですが、責任感が不足しているせいか、傾いた状態でスキャンするなど品質の悪いものが出来上がることが多々ありました。
作業を依頼するときは、目的や背景、必要性も伝えるようにしました。例えばスキャンを依頼するときは、「コロンビア中の人が読むからきれいにスキャンしないとね」などとコミュニケーションも含めてお願いするようにしました。またやり直しの依頼のときには、悪い点だけでなく、良い点も一緒に伝えるようにしたところ、回数を重ねるごとに品質が上がった気がします。
任務に必要なのは(配属先の困りごとを知るためには)異文化理解だけでなく、やはり現地の人、職場の人を知ることだと思います。そのためには自分の考えや「日本では〜」といった考えは一旦忘れ、相手を尊重し、よく話を聞くことが大切です。配属先の困りごとが見えてきたら、自身の得意とする分野からのアプローチ方法で進めるとやりやすいと感じました。司書という職種でしたが、私の場合はSEという職歴があったため、システム側からアプローチをしていきました。
【PROFILE】
1984年生まれ、鹿児島県出身。2007年、津田塾大学学芸学部情報数理科学科を卒業後、システムエンジニアとしてNECに入社。16年、会社を休職し、青年海外協力隊員としてコロンビアに赴任。18年9月、帰国。現在は、日本IBMにてコンサルタントとして官公庁向けソリューション案件を担当している。
【活動概要】
コロンビア国立衛生研究所の附属図書館において、蔵書の保存および広く一般の人に閲覧してもらうために、以下の活動を行う。
●デジタルライブラリの構築支援
●現地職員への技術教育