派遣中:4人
累計:26人
分類:保健・医療
活動例:学校保健の理解促進のため学校における保健教育の実施 など
類似職種:看護師、保健師、公衆衛生 など
※人数は、2020年7月31日現在。
ガーナでは、日本で毎年一度行われている児童生徒の健康診断が行われていないため(高校を除く)、児童生徒の健康状態を把握することができません。そこで、カウンターパート(以下、CP)と配属先の管轄内にあるベーシックスクール(*1)5校を巡回しながら身体測定を行い、その結果をもとに児童生徒や学校保健担当教諭に保健指導を行いました。1校あたり約700人の児童生徒が在籍しているため、約3カ月をかけて身体測定を実施。その後、測定結果を分析し、約2カ月をかけて実施校で測定結果の返却や保健指導を行いました。2年目はCPが変わり、私の帰国後の継続性を考え、巡回先の学校保健担当教諭に測定方法を説明しながら実施。2年目になると、1年目に配布した測定結果の用紙を大切そうに持っている生徒や、1年目と2年目の測定結果を見比べている生徒もいました。また、保護者に身体測定の結果を報告したり、生活習慣について保健指導したりしている学校もありました。
*1 ベーシックスクール…幼稚園、小学校、中学校。
赴任当初、巡回先で「なぜ、身体測定を行うのか」と言われ、実施の意義・目的を校長や担当教諭に理解してもらえませんでした。その理解を得るまでに時間がかかりました。
各校の校長に、身体測定とその後の保健指導により、児童生徒の発育発達の状態や病気の早期発見、健康増進につながるということを、資料を用いて説明しました。理解を得られたことで校長から教諭へと実施の伝達がうまくいき、活動をスムーズに行うことができました。なかには疑問をもつ教諭もいたので、そのときはその疑問が解決するまで話し合ってから活動を行いました。身体測定後、児童生徒に測定結果を返却しただけでなく、校長と学校保健担当教諭に分析結果を説明したことによって、活動に対してさらに興味をもってもらうことができました。
保健室経営(*2)や保健指導など今までの学校保健に関する経験を存分に生かすことができる職種だと思います。しかし、日本と同様の活動は難しいので、今までの経験を軸に派遣国に合わせ活動してみてください。そのためには、早くメインの活動を始めたいという気持ちを少し抑え、はじめの1、2カ月は配属先の学校や児童・生徒の様子を観察するのもいいと思います。うまくいかないことの方が多いかと思いますが、現地の人とたくさんコミュニケーションをとって、よりよい活動にしていってください。応援しています。
*2 保健室経営…各学校で設定される教育や保健の目標を具体的に実現するため、子どもの健康状態や求めるものを把握し、彼らの健康課題を解決できるように保健室の機能を発揮すること。
【PROFILE】
1988年生まれ、神奈川県出身。2012年、日本体育大学体育学部健康学科を卒業。その後、上海日本人学校中学部で2年間保健体育教諭、バンコク日本人学校で3年間養護教諭として勤務。17年6月、協力隊員としてガーナに赴任、19年6月帰国。現在は、東京都立高等学校にて非常勤講師として勤務しながら、日本語教師の資格を取得するために、日本語教師養成講座420時間を受講している。
【活動概要】
学校保健の普及を目指し、配属先の教育事務所管轄内にある学校を巡回しながら、以下の活動を行う。
●モデル保健室の機能・環境の整備、運営
●児童生徒の健康についての調査 ・分析
●児童生徒への保健指導・応急処置の実施
●学校保健担当教諭を対象とした、ワークショップの実施