派遣中:0人
累計:102人
分類:保健・医療
活動例:医療施設における医療機器の保守・維持管理業務 など
類似職種:病院運営管理、福祉用具 など
※人数は、2020年11月30日現在。
私はミャンマーのヤンゴン小児病院に配属され、医療機器隊員として活動しました。日本には臨床工学技士(英名:Medical Engineerなど〈※〉)と呼ばれる職種がありますが、ミャンマーはまだその職種が確立されていないため、同職種をつくる活動をしています。その過程で、配属先病院にも医療機器に対応する若手エンジニアが配属されていました。しかし、修理経験や道具も十分な状態ではないため、私が病院内の医療機器の管理、使用方法のサポート、修理とメンテナンスを行う院内のエンジニアとして活動をしました。
医療機器の修理とメンテナンスでは、ポータブルX線装置、人工呼吸器、心電モニター、保育装置などの修理やトラブル対応を行いました。また、管理では、在庫管理リストやメーカー修理必要時の連絡先リスト、不具合発生と対応の履歴リストの作成などを実施しました。
※ そのほかに、Biomedical EngineerやClinical Engineerとも呼ばれる。
ミャンマーの政府系病院では、多数のメーカーの医療機器が混在しており、自分の知らないメーカーや機種の装置も対応、修理しなければいけないことが多々ありました。そのような対応にマニュアルはなく、常に自ら考え行動していく力や手作業での修理技術が求められました。
不明な点は現地代理店のエンジニアと頻繁にコミュニケーションを取り、操作方法、各対応方法をしっかりと聞いて、それをまとめました。主要な装置に関しては資料を作成し、特に緊急性が求められる生命維持装置となる人工呼吸器は、マニュアルを作成することで、私自身も不具合時には即座に対応できるようにしていました。
現地で求められることは、故障して動かない物の修理で、「直してくれる人が来た」と期待されると思います。装置によっては、専門の部品を入手しないと修理できない物ももちろんありますが、一般的な電子部品やケーブルの修理で直ることもあります。現地では、そうした工具を使った経験、手作業の経験がとても必要となりました。私の活動では、エクセル関数やデータをまとめるIT知識も役立ったので、事前に学んでいくと良いと思います。
臨床工学技士の知識、修理エンジニアとしての経験と知識に加え、一般的な工学知識とIT知識、また語学力があれば、修理、管理、教育の活動をバランス良く行え、現地の人から信頼を得ることができると思います。また、それによって、現地に貢献できる活動もすることができると思います。
【PROFILE】
1980年生まれ、東京都出身。神奈川大学理学部情報科学科を卒業。半導体設計企業に勤務後、医療画像診断装置のメンテナンス企業に勤務。メンテナンス業務と並行し、社内アプリケーションの作成なども行った。2018年2月、 青年海外協力隊員としてミャンマーに赴任 (民間連携ボランティア制度)。20年2月に帰国。現在は製薬、研究用装置のメンテナンス業務に従事している。
【活動概要】
ミャンマーのヤンゴン小児病院にて医療機器隊員として主に以下の活動を行う。
●医療機器 (輸液ポンプ、CPAP装置、人工呼吸器、X線装置、保育器など)のトラブル・修理対応
●装置対応の記録の作成、装置リストの作成と管理
●各医療機器の操作方法、トラブル対応のマニュアル作成
●現地エンジニアへ基礎技術知識、修理対応の指導