ペルー事務所からのエール

JICAペルー事務所の人員体制

●企画調査員(ボランティア事業):3人
●現地職員:21人
●その他:9人

JICAボランティア事業にかかわるJICAペルー事務所のスタッフたち

協力隊の派遣開始40周年の記念ロゴ

隊員連絡所はなく、事務所内に協力隊員が利用できるスペースを設置。協力隊員が作成した教材などの電子データを格納したパソコン、語学学習や各種専門分野に関する参考書などを並べた本棚を置いている。

企画調査員(ボランティア事業)/永竹未奈

1979年生まれ、東京都出身。大学院修了後、青年海外協力隊に参加(ニカラグア・青少年活動・2005年度1次隊)。短期派遣の青年海外協力隊員としてコロンビアで活動した後、都内の福祉関連施設に社会福祉士として7年半勤務。2018年1月より現職。

Q.主な担当業務は?
社会サービス分野、観光開発分野、日系社会との連携分野の協力隊員のサポートのほか、協力隊員の着任時の対応や広報に関する業務を担当しています。2020年はペルーへの協力隊派遣が開始されてから40周年の年だったため、協力隊員の配属先をはじめとするペルーの方々、協力隊経験者や派遣中の協力隊員の協力を得ながら、SNSを駆使してさまざまな広報活動を行いました。

Q.ペルーへの協力隊派遣の特徴は?
ペルーはアンデス文明の遺跡に代表される文化遺産の宝庫であり、各地の博物館で協力隊員が所蔵品の撮影や展示、来館者への教育などに協力しています。また、雄大な自然という観光資源もあり、観光客誘致の支援を行う協力隊員や、自然保護区の環境保全を支援する協力隊員も派遣されています。観光はペルーの基幹産業であり、観光を通じた地域振興にかかわる活動も少なくありません。

Q.印象に残っている活動例をお教えください。
どの協力隊員の活動も感心することしきりで、1人の活動を選ぶことは難しいため、協力隊員たちが2018年から毎年1、2回、帰国研修員同窓会と共催している日本文化紹介イベントをあげたいと思います。2019年はペルーへの日本人の移住が始まってから120周年の年だったため、国内各地で関連イベントを開催したのですが、楽器の演奏や着付け、茶道など普段の活動からはうかがい知れない協力隊員たちの特技や魅力を知ることもできました。

Q.赴任までに準備しておくべきだと思うことは?
プレゼン資料を作成するためのソフトを使いこなせるようになっておくことです。視覚的に印象的な資料は、配属先の方々の関心もひきやすいと思います。

Q.活動ではどのような姿勢が重要でしょうか。
活動開始時は、まずは先入観を捨てて現状を正しく把握、認識しようとする姿勢が重要であり、その後は、変化する環境を柔軟に受け止める心の余裕が必要かと思います。

Q.協力隊員へのメッセージをお願いします。
ペルーで充実した活動・生活ができるよう私たちも側面支援していきますので、一緒に励みましょう。

現地職員/Yolanda Campos Guardamino

1967年生まれ、ペルー・リマ市出身。2005年からJICAの技術協力プロジェクトなどにローカル・コンサルタントやプログラム・オフィサーとして従事。16年からJICAペルー事務所でJICAボランティア事業のコーディネーターなどを務める。

Q.協力隊員に共通する特徴だと感じていることは?
自分が必要とされているときにはいつでも力になろうとするので、積極性が高い方々だと思います。ほかにも、最良の解決策を見つけ出すために想像力を働かせ、創造性を発揮する点、自分が置かれている状況を客観的に分析する力を持つ点、チームとして働く方法をわきまえている点などが、彼らに共通する特徴だと思います。

Q.協力隊員に関する印象深いエピソードは?
新型コロナウイルスの感染拡大により、2020年3月に全協力隊員が帰国したことです。空路・陸路ともに制限があったなか、協力隊員たちの配属先の支援、あるいは日本大使館、ペルーの外務省や内務省、警察などとの密な連携により、15の地域に分散していた協力隊員たちを無事に移動・帰国させることができました。

Q.協力隊員にとって重要な心構えは?
日々の活動とそこで起こる困難に対し、誠実さと生産性の両方を求めて向き合うためには、ぶれずに粘り強さを保つ姿勢が必要となります。活動の成果がすぐに現れないことも少なくないですが、それでも活動は持続しなければなりません。

Q.協力隊員へのメッセージをお願いします。
ボランティアとは、自らの選択によって、つまり強制されていないのに、他者のために活動する人です。ボランティア活動とは、選択する・しないが自由な1つの生き方であり、それを選ぶのは、人間理解への真剣さがあるゆえではないかと思います。ペルーのように開発の途上にある国の現状は、日本とはあらゆる面で異なります。そのため、協力隊員はまずはそれぞれの任地の生活環境に適応してください。とは言え、心配は無用です。JICAペルー事務所のスタッフは最善を尽くし、協力隊員のペルーで過ごす日々がより良いものになるよう努めていきます。

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