希少職種図鑑
[エアロビクス(現・フィジカルアクティビティ)]

職種概要

派遣中:0人
累計:12人
分類:人的資源
活動例:エアロビクスを含む各種エクササイズの企画・実施など
類似職種:—

※人数は2021年2月末現在。

話=東海林由貴さん(ボリビア・2016年度2次隊)

Q メインの活動は?

エアロビクス教室で「花笠音頭」を取り入れた際の参加者と東海林さん(前列中央)

 住民に肥満が多いことから、配属先ではコミュニティセンターなどで無料のエアロビクス教室を開催しており、私はそれらを日に1、2カ所ずつ巡回しながら、参加者への指導に携わりました。参加者の年齢層は10代から70代までと幅広く、伝統衣装を着て暮らす先住民の女性グループも含まれていました。また、エアロビクス教室の現地インストラクターを対象に、指導法のバリエーションを増やしてもらうためのワークショップも開催しました。そのほか、住民のなかには姿勢が悪い人もいたので、毎週末に設けられる歩行者天国でブースを設け、ヨガの指導をする活動なども行いました。

Q 活動の最大の困難は?

 巡回先のエアロビクス教室で参加者と打ち解けることでした。古参の参加者は現地のインストラクターに慣れていたため、それまで使ったことがなかった曲や、紹介したことがなかった動きを私が教えようとすると、いぶかしげな顔をされてしまったのです。当初はそうした状況に心が折れそうになりました。

Q どう対応しましたか?

 現地の先住民の伝統音楽をベースとする音楽や、現地ではやっているポップスなどをエクササイズに取り入れ、参加者に歩み寄ってみました。すると徐々に関心を持ってもらえるようになり、教室がない日にお茶に誘ってくれたり、サプライズで誕生日を祝ってくれたりするようになりました。そうして教室でも、私が提案する曲や動きを楽しそうに受け入れてもらえるようになりました。

Q 同職種の後輩隊員にメッセージをお願いします。

 派遣前に日本のフィットネスクラブで指導をしていた際、参加者はインストラクターの指示を良く聞いてくれました。一方、ボリビアでエアロビクス教室の指導に携わり始めた当初は、こちらの指示を聞かずに好き勝手に動く参加者も多く、日本のフィットネスクラブでは経験したことがないような類いのエネルギーが必要でした。しかし、参加者が自由に振る舞う分、指導する側も固定観念を捨てて新しいことにチャレンジできるというおもしろさがありました。目の前の参加者たちと真摯に向き合い、彼らの笑顔を引き出すために何が必要なのかを懸命に考えながら過ごした日々は、今ではかけがえのない思い出になっています。言語も文化も違う社会での活動は困難も少なくないと思いますが、失敗から学ぶ気持ち、前向きにチャレンジする気持ちを持って困難を乗り越えていただきたいと思います。

東海林さん基礎情報





【PROFILE】
1989年生まれ、山形県出身。神田外語大学国際言語文化学科を卒業後、フィットネスクラブに勤務。そのかたわらでズンバとグループエクササイズ指導の資格(AFAAによるプライマリー認定〈PC〉)を取得。2016年10月に青年海外協力隊員としてボリビアに赴任。18年10月に帰国。ヨガの指導資格(RYT200)を取得後、現在はボリビアでヨガや日本語の指導に従事。

【活動概要】
ラパス県ラパス市のスポーツ振興部に配属され、主に以下の活動に従事。
●市内の諸施設でのエアロビクスの指導
●エアロビクスのインストラクターを対象とする指導法のワークショップの実施
●マラソン大会やダンスコンテストなど配属先が実施するスポーツイベントの運営支援

知られざるストーリー