駒ヶ根青年海外協力隊訓練所に行ってきました!
その①新型コロナウイルス対策&施設案内

駒ヶ根青年海外協力隊訓練所

新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、2021年度は少人数・短縮スケジュールで開催されている派遣前訓練。どんな様子なのか、21年度4次隊の訓練生・23名の訓練中に取材してきました(※21年11月26日現在の情報で、今後変更になることがあります)。



私たちが案内します!

後藤大祐さん

カリキュラム全般担当:後藤大祐さん

森 詠司さん

カリキュラム全般担当:森 詠司さん

越智陽水さん

新型コロナウイルス感染症対策検討委員会:越智陽水さん


青年海外協力隊訓練所とは?

青年海外協力隊訓練所

   派遣前訓練を行う施設は、駒ヶ根青年海外協力隊訓練所(以下駒ヶ根訓練所)と二本松青年海外協力隊訓練所があります。両施設とも、JICA海外協力隊になりたいと手を挙げて選考された方が、協力隊員になるための基礎を養う場を提供する役割があります。平常時の駒ヶ根訓練所では、約100~230人の訓練生が、寝食を共にしながら訓練に励んでいます。



駒ヶ根訓練所の新型コロナウイルス対策は?

2020年の年度末に感染症のコンサルタントの助言を受け、新型コロナウイルス対策に取り組んでいます。21年11月現在、訓練生らが自発的に調べて提案してくれている対策も含めて、以下のような対策をしています。


● 接触を伴う課業と訓練所外の課業を休止

● 訓練生とスタッフは感染予防対策ガイドラインを順守し、基本的な予防行動を徹底する

● 訓練生は毎朝居室を出る前に検温・体調観察を記録。異常があった場合は居室に残り診療室の指示を仰ぐ

● 語学訓練を行う教室内で、酸素濃度の計測を行う。窓やドアを少し開けて換気を行う

● 食堂では距離を開けて受け渡しを行い、着席後は黙食

● 大浴場は予約制で6人までなど、共用部分の人数や利用時間の制限

● 図書館の図書や体育用品の貸し出し後は、消毒し返却後数日あけてから貸し出しをする

● 接触スポーツは中止だが、距離を取れるスポーツ(テニスなど)は可。その際、マスクを着用する

● 所内各所に感染対策のポップを表示し、注意喚起を行う

● 会食は禁止

訓練生が描いたソーシャルディスタンスを促す食堂のポスター

訓練生が描いたソーシャルディスタンスを促す食堂のポスター

教室内の酸素濃度を測る機械

教室内の酸素濃度を測る機械を設置。基準値を超えると音で知らせます

食事は同じ方向を向いて座り黙食

食事は同じ方向を向いて座り黙食を行っています

加湿器を設置

加湿器を設置。窓かドアどちらか片方を開けて空気の入れ替えもしています




















施設紹介

► 最大で約230名の訓練生が寝食を共にする学び舎は充実の設備

語学教室

語学教室
言語・レベル別に分かれて学びます。取材時は1クラス1~2人で学んでいました。写真はフランス語の教室です。

講堂

講堂
大人数での集まりや各種講座の開催、テレビ会議のときなどに使用します。取材時は「派遣国での健康管理」の講座が行われていました。

食堂

食堂
多くの先輩隊員から「訓練所の食事はおいしい!」と評される食堂。派遣前訓練中に同じメニューは一度もなく、週に1度はエスニックメニューが登場します。

多目的ホール

多目的ホール「森のステージ」
式典や体育施設として使用します。2階にはトレーニング器具があり、筋力トレーニングなどもできます。

図書資料室

図書資料室
言語に関する図書、国別資料、国際協力関連書籍・雑誌のほか、各国の隊員が自主的に発行する冊子などがそろっています。

診療室

診療室
看護師2名が常駐し、日々の健康相談のほか、派遣国で必要な予防接種も行います。

居室

居室
1人1部屋あり、宿泊棟2棟を男女にそれぞれ分けて使用しています。室内にはベッド、机、収納棚が設置され、掃除や洗濯は各自で行います。

浴室

浴室
入浴は共同の大浴場へ。広い浴槽でリフレッシュ。

洗濯・乾燥室、物干し場

洗濯・乾燥室、物干し場
洗濯・乾燥室や物干し場が各所にあり、交替で使います。

談話室

談話室
談話スペースやごみの分別ボックスのほか、共有の冷蔵庫や流し台、アイロンがあります。

売店

売店
毎週金曜日の昼休みに、生活用品や文具を販売する売店の営業があります。「重い洗剤などは自宅から用意せずにここで買えばよかった!」という訓練生の声も聞きました。

その他の施設
体育分野職種の実習だけでなく、昼休みや土日に体を動かしたいときにも使用できる「体育館」「グラウンド」「テニスコート」、小規模の講座や自主講座などで使用する「小講堂」、足踏みミシンを設置する「生活技法室」、カウンセラーが訓練生のさまざまな悩みに答える「よろず相談室」や、派遣国の映像資料や先輩隊員の活動報告書といった資料を閲覧できる「メディアルーム」もあります。


駒ヶ根青年海外協力隊訓練所   小林丈通所長からのメッセージ

小林丈通所長

駒ヶ根青年海外協力隊訓練所 小林丈通所長

どんな状況下であっても、同じ釜の飯を食べ、切磋琢磨して学び、各種講座などでディスカッションを重ねた同期は一生の仲間になります。コロナ禍で規制は増えましたが、リモート型訓練があることで顔と名前が覚えやすいといったメリットも生まれているようです。訓練所では訓練生たちの健康に留意しつつ、JICA 海外協力隊としての資質を養えるよう、一丸となってサポートします。





Text&Photo=ホシカワミナコ(本誌) interview=大竹幸乃(本誌)

知られざるストーリー