アラビア語
ヨルダン/手工芸/1994年度3次隊・千葉県出身
アラビア語には、20カ国以上で公用語となっている正則アラビア語(フスハー)と、方言(アンミーヤ)があります。現地で話すことになるのはアンミーヤですが、フスハーをよく理解しておくことがベースになります。初めてアラビア語を学習する方は、まず文字を覚えることと、特有の発音である咽頭化した音をマスターすること。それにはやはりトレーニングが必要です。大切なことは、4技能のうち「聞く・話す」に重点を置きつつ、「書く・読む」も毎日実践すること。授業では、文法学習を中心に、自己紹介や発表の練習、ビンゴゲームなどのアクティビティも取り入れて、楽しく学べるように工夫しています。
黒木先生のアラビア語教室の様子。少人数で楽しく学べるように工夫されている。
一生懸命励めば、現地で使えるアラビア語が身につきます。語学の習得はスポーツをマスターすることと似ていて、練習を重ねることで上達します。スポーツでもさまざまなトレーニングが必要なように、言語の習得でも、耳口手目を使って練習することが大事です。語学はスポ根です!
インドネシア語
家を造るときはまず土台を造りますが、土台が強くなければつぶれてしまう。語学も同じで、土台になる単語と文法をしっかり身につければ、スムーズに上達できます。教わった単語と文法は、声に出して読むと頭に残ります。声に出すと、目からも耳からも入るのでより覚えられます。絵とか彫刻には才能が必要ですが、外国語を学ぶことに才能はいらない。赤ちゃんが言語を覚えるのと同じように、一生懸命やっていたら、身につけられないことはない、必ずマスターできます。
入所前のeラーニングは、マスターすれば、訓練所で勉強を始める時に楽になります。退所してからも、訓練所で勉強したことをきちんと復習する。自転車に乗る練習を思い浮かべてほしい。最初は不安定でぎこちないけれど、だんだん慣れて、スムーズに走れるようになる。でもいったん自転車を止めると、また漕ぎ出すのに、時間とエネルギーが必要になります。外国語も同じで、毎日、練習を続けてください。
ケニア/数学教育気分転換は、ジムで運動をしたり、自然豊かな訓練所の周囲を散歩したりします。安達太良山への登山も紅葉がきれいで楽しかったですよ。
エジプト/幼児教育
私のお気に入りの場所は、景色がきれいな屋上で、特に日の出を見るのが好き。気分転換したいときには、ランニングマシンで走ります。
山本さん:途上国で教育活動がしたいという夢があって参加しましたが、日々新しいことを知ることができ、楽しんで訓練に臨んでいます。特に土曜日の選択講座では、異文化におけるコミュニケーションや安全管理のことなど、各分野の専門家の講義が受けられ、学びが多くて新鮮です。
大和田さん:語学はアラビア語を学習していますが、徐々に話せる表現が増えてきて、成長していることがわかって嬉しく思っているところです。生活面では、同期たちがダンスや運動など、いろいろと企画をしてくれるので、それに参加したり、日曜日に近くの岳温泉に行ってリフレッシュしたり、思った以上に快適で、楽しみながら訓練させてもらっています。
山本さん:スワヒリ語を習っていますが、簡単な会話ができるようになってきました。訓練前にもオンラインレッスンが受けられるのですが、直前まで高校で数学の教員として働いていたので、あまり受けられませんでした。だから他の方々より出遅れた状態で語学に入ったのですが、先生が丁寧にサポートしてくださって追いついてきました。課業が終わってからも、夕食以外は自習時間に充てています。
大和田さん:アラビア語はゼロからのスタートでしたが、訓練後半になって、教科書に載っている文法や表現は、ひととおり理解できるようになりました。少人数で先生と対面で会話ができるので、上達の近道になっていると思います。自習は宿題に1~2時間、それに加えて復習。同じクラスの人と集まって、一緒にやって教え合ったり、会話練習をしてみたりすることもあります。そうした仲間の力も大きいと思います。
山本さん:たくさんあります。訓練生はそれぞれの生活習慣を持っていて、起床時間も人それぞれ。そういう「当たり前の違い」を感じます。それは、派遣国に行ったら、より濃く感じるでしょうから、よい訓練になっていると思います。
大和田さん:安全対策の講座もたくさん受けましたが、施錠をしっかりすることなど、いろいろと身につきました。現地でケガや事故がないように、犯罪に巻き込まれたりすることなく、しっかり活動できるように、今から習慣を見直しているところです。
山本さん:教育が行き届いていない子どもたちに教育を届ける活動がしたいと思っています。その目標をかなえるために、現地の教育事情が自分の目にどう映るのか確かめたい。それで応募を決めました。2次試験に合格したタイミングで職場に告げたのですが、僕の前任で休職して協力隊に参加した方がいて道が切り開かれていたこともあり、職場からは快く受け止めてもらえました。
大和田さん:短大時代に英語コミュニケーション学科で、世界情勢や貧困問題を題材に学び、世界にはいろいろな事情がある、と学習していく中で、自分にもできることがないかと考えるようになりました。短大を卒業した後、専門学校に2年間、幼稚園1年間、保育園で3年間、必要な実務経験を積みました。その間、帰国隊員と話したりして、後押しされ、2022年度春に応募しました。
山本さん:ここに来る方々はいろいろな経験を積まれている方が多いので、そういう方々との出会いを大切にしてほしいと思います。すべての出来事が自分の成長につながります。
大和田さん:説明会の個別相談で、「一回しかない人生だから思い切ってやったほうがいい」と背中を押されたので、皆さんにも同じ言葉を伝えたいと思います。海外派遣は人生の財産になるような経験ができると思います。
安全対策に関する講座では、爆弾や銃弾のよけ方、匍匐(ほふく)前進のやり方まで教わる。
設備が充実したトレーニングルームは、学習の気分転換や、運動不足解消に使用される。
ほとんどの平日は1~5時限目までが語学授業。6、7時限目に各種講座となっている。土曜日は任意で受講する選択講座、日曜日は休日となっている。
山本さん:延長コード(コンセントが微妙な位置にあるので)、養生テープ(カメムシが多くて窓の隙間から入ってきます)、消せるボールペンなど自分の勉強法に必要な文具。逆に、パンやお菓子、一般的な文房具は出張売店で購入できます。
大和田さん:食器用洗剤とスポンジ(共用のものはありません)、サンダルorクロックス(風呂上がりに靴を履くのが嫌な人は)、お風呂バッグ(脱衣かごは支給されるが自分のシャンプーなどを運ぶのに必要)。訓練所でも買えるものは、消臭剤、洗剤など。さらに文房具系は15%オフになります。美容製品、コットンとかも売店の方にお願いしたら入手できました。歯ブラシなどの日用品も売っています。
※二本松訓練所には、二本松市内の商店が定期的に出張販売している。
Text=阿部純一(本誌) Photo=飯渕一樹(本誌) 写真提供=二本松訓練所