[特集]
青年海外協力隊事務局からの熱い思いを届けます!
これからのJICAボランティア事業

各課を支える人々

Profile…プロフィール。国際協力機構(JICA)入構(国際協力事業団入団を含む)のきっかけや、現在の業務内容、やりがいなど。
Message…隊員へのアドバイスやメッセージ。海外在住経験のある方にはその国のことも含めて。
Book…隊員の方に薦めたい本や漫画。
Off…プライベート。趣味や余暇の過ごし方。


総務・企画

次長・内田 淳さん
次長・内田 淳さん

Profile:学生時代のゼミ合宿で、タイにあったカンボジア難民キャンプやマレーシアの熱帯林が伐採されている村へ行き、現状を目の当たりにしたことが入構のきっかけです。協力隊事業は事業の流れに沿ってそれぞれの課がありますが、我々は全体のとりまとめとして、事業全体の計画・評価、制度づくり、予算管理、事業支援要員、新規事業を含む事業の質の改善の取り組みや、対外的な行事などの対応を行っています。現場に出る協力隊員の方々に対し、一歩引いた立場で事業の土台をつくる大切さや意義を感じています。帰国報告会などで隊員の方々の話を聞くことが楽しみです。

河合隼雄『こころの処方箋』

Message:どの国でも自分の意思を伝え、それに対する相手の意見も聞いて、対話することが大切です。母国語を大切にする人が多いので、拙くてもその言葉を使って懐に飛び込めば受け入れてくれる方が多くいるでしょう。心身共に健康であること、安全であることが一番ですが、視野を広く持ち、楽しみながら挑戦していってください。
Book:河合隼雄『こころの処方箋』。平易な文章で人間心理の「常識」が示され、人間関係の考え方を広げるヒントになります。
Off:海釣り。なるべく自然の中に身を置きたいと思っています。


⑥計画課
課長・加藤憲一さん
課長・加藤憲一さん

Profile:隊員経験(ドミニカ共和国/農業土木/ 1990年度2次隊)から国際協力の仕事に関心をもち、入構しました。当課に異動になる前は二本松訓練所に勤務していたので、現役隊員の方でご一緒した方もいるかもしれません。当課は協力隊事務局の総務、予算管理など事業に共通する仕事を担当しています。例えば皆様にお配りする「隊員ハンドブック」の取りまとめも行っています。

柳原和子『「在外」日本人』

Message:途上国で価値観が一変する方も少なくないと思います。自分とは違う価値観があることを認識したり、自分の常識とは違うことが起きることを理解する。受け入れなくてもいいけれど、違うということを認識して、攻撃しないこと。そこからその人なりの活動が始まるように思います。
Book:柳原和子『「在外」日本人』。1990年代の古い本ですが、当時海外で仕事をしている方や暮らしている方のインタビュー集です。同じ日本人なのに価値観が違う人たちがこれほど多くいるのかと驚きました。
Off:ランニングです。


吉村茂子さん
吉村茂子さん

Profile:「世界青年の船」での途上国の青年たちとの交流がきっかけとなり、協力隊に参加しました(ベリーズ/PCインストラクター/ 2009年度2次隊)。帰国後もIT関連の仕事を続け、計画課は足かけ9年目を迎えます。協力隊事業で使用するシステムの管理や契約関連の業務を担当しています。

マシュー・サイド『多様性の科学』

Message:隊員時代は目の前のことに精一杯だと思いますが、貴重な2年間ということを意識しながら現地の人々に一生懸命接することで、帰国後の生き方も含めて、見えてくるものがあるはずです。私も隊員活動をきっかけに、デジタル・ディバイド(情報格差)の解消が、途上国の人々にどのような影響をもたらすかを大学院で研究中です。
Book:マシュー・サイド『多様性の科学』。様々な意見の集約で良い答えが見つかるという主張は活動のヒントに。
Off:箱などに布や紙を貼るフランスの伝統工芸・カルトナージュを習っていて、名刺入れなども手作りしています。


⑦企画業務課
課長・近藤信孝さん
課長・近藤信孝さん

Profile:総務省勤務時代に留学したメキシコで途上国の発展の勢いに魅了され、入構しました。当課では、協力隊事業の計画立案や評価、国際連携、企画調査員(ボランティア事業)の方々のための制度運営、「スポーツと開発」の課題に対しての取り組みなどを行っています。エルサルバドル事務所やパラグアイ事務所時代から実感していますが、エネルギーがあって魅力的な隊員の方々の活動のお手伝いができることを嬉しく思っています。

佐藤優『国家の罠』、ユン・チアン『ワイルド・スワン』

Message:日本社会は外国人材がいなければ成り立たなくなっています。隊員の皆様にはぜひ、帰国後日本の方々と外国人材をつなげていただきたいと思います。パラグアイ隊員の方々へ向けては、牛肉がおいしいので食べ過ぎておなかを壊さないようにご注意を。
Book:佐藤優『国家の罠』、ユン・チアン『ワイルド・スワン』。国を背負って活動する皆さんへ、国家を理解する参考に。
Off:最近は筋トレと読書ですが、料理も好きで、パラグアイ事務所時代は隊員の方々を呼んで振る舞っていました。


増田萌子さん
増田萌子さん

Profile:母や大学の先輩ら、周囲の隊員経験者の影響から新卒で協力隊に参加しました(セネガル/体育/ 2016年度2次隊)。帰国後も国際協力に関わりたいと思った時、フランス語力を高めたいとフランスへ語学留学し、その後、入構しました。現在「スポーツと開発」を担当し、JICAと協定のあるスポーツ団体等との連携に関する業務などに携わっています。

高橋美佐『フランス語で手帳をつけてみる』

Message:活動が進まなかったり、時間があり余ったりした時、他の隊員と比べて焦らないことです。落ち着いて、活動のこと、将来を含めた自分のことなどについても、じっくり考えられる良い機会と捉えるといいかもしれません。
Book:高橋美佐『フランス語で手帳をつけてみる』。先輩隊員が置いていった本です。任地でのやりとりは現地語が多く、フランス語を忘れそうだったので、せめて日記を書こうと思い、参考にしていました。
Off:スポーツが好きなので、ランニングやジム通いです。


Text&Photo=干川美奈子、飯渕一樹、阿部純一(本誌) editorial assistant=林 志織(本誌)

知られざるストーリー