徳島洋武

(株)トクスイコーポレーション 代表取締役社長

徳島洋武さん
佐々木宣之

PT DWI BINA UTAMA 社長

佐々木宣之さん

グアテマラ/漁具漁法/1994(平成6)年度2次隊
(株)トクスイコーポレーション2000年入社

徳島社長:現在、弊社では計4名のOVが勤務しています。過去に在籍していた方々も含め、協力隊を経験した方々は自己解決力が優れた方が多い印象です。特に海外の事業所では、その場で決断を迫られることが多くありますが、常に適切な判断をし、日頃から現地の方々とも仲良く節度を持って仕事を推進してくれるので、非常に信頼しています。海外で課題解決に貢献したいという気持ちを持った若者を応援し、弊社に応募してくれる協力隊経験者を増やしていきたいとの思いもあり、「JICA海外協力隊応援基金」を通じて協力隊を応援しようと決めました。

佐々木社長:私は1994年度派遣のグアテマラ隊員ですが、協力隊員は苦労を苦労と思わない人が多いと感じます。人種や文化的背景や生活環境が違う中でいろいろな悩みや葛藤に直面しながらも、楽しみながら一つ一つ解決に向けて動いていける強さがあります。私は現在、インドネシアのウタマ社の社長として、200人のローカルスタッフらと働いていますが、協力隊時代に培ったメンタリティは常に必要とされますね。

   今年、トクスイコーポレーションは創業100周年、ウタマ社は創業50周年を迎えましたが、インドネシアでの事業がここまで続いたのは共存共栄の精神があるからこそだと感じています。事業の目的は現地の水産資源を日本に供給することですが、常に現場が一番大事です。立場を超えて現地の人々とコミュニケーションし、一緒に汗をかき、一緒に成し遂げていく。そういう意味では、協力隊の精神と一致する部分が非常に多いのではないかと思います。

法人寄付第1号・トクスイコーポレーションに協力隊への期待を伺う
ウタマ社で事業所長を務める鈴木寿典さん(マダガスカル/コミュニティ開発/2018年度2次隊)
(株)トクスイコーポレーション2021年入社

徳島社長:これからの日本企業は海外人材を選ぶのではなく、選ばれる時代になっていきます。決して上から目線ではなく、共存共栄の精神で現地の人々と接していくスタンスは必要不可欠です。さらに、マニュアルどおりとばかりにはいかない中で、突発的なトラブルや緊急事態が起こった時に冷静かつ臨機応変に対応できる力、自分で物事をしっかり考えて適切な判断を下し、仕事を動かしていく推進力を持った人が求められます。そういったマインドを持って、これから海外に挑戦しようという若い人たち、いま海外で活動する協力隊の皆さんの活動を応援すると共に、帰国後はぜひ弊社を視野に入れていただければ幸いに思います。

JICA海外協力隊応援基金とは?

次世代を担う協力隊員たちの任国での活動や、帰国後の社会課題解決への取り組みを応援する機会として、広く寄付金を募ることで、JICAボランティア事業への参画の一つの方法として立ち上げられた。想定される使途は以下のとおり。

①派遣中の隊員への支援
②帰国後隊員への支援
③その他(OVのネットワーク維持・発展など)

詳しくはコチラ▼
https://www.jica.go.jp/activities/schemes/partner/private/kifu/kyoryokutai.html

JICA×三井住友信託銀行による
「遺贈セミナー」が開催

JICAと三井住友信託銀行は9月7日に三井本館にて共催で広く一般の方を対象に「遺贈セミナー」を開催しました。
個人が遺言によって遺産の全部、または一部を特定の団体などに寄付する「遺贈寄付」は、人生の最後に自分の「想い」を残す方法として関心が高まっており、セミナーではJICA海外協力隊応援基金を含めたJICAの寄付メニューについての紹介もありました。JICAへの遺贈寄付にご関心のある方はJICAウェブページよりご連絡ください。

Text=秋山真由美 Photo(近影)= 飯渕一樹(本誌) 写真提供=(株)トクスイコーポレーション