小池 毅さん
小池 毅さん

PCインストラクター/2024年度
1次隊・東京都出身

活動の様子

行政首都プレトリアから北に380㎞離れたリンポポ州ヴェンベ郡のダニエル・ムブヴァ小学校で、9歳から13歳までの子どもたちにパソコンを教えています。赴任してみると学校にあるパソコンは古過ぎたり故障していたりで使えないため、日本から持参した自分のパソコンを使いタイピングソフトで文字入力の練習などを行っています。もう一つ力を入れているのが柔道の指導で、私が柔道の有段者だと知った校長から頼まれ、授業として行っています。まずは子どもたちに柔道の楽しさを体験してもらい、徐々に礼儀作法も覚えてもらいたいと思っています。

派遣国生活
柔道の授業の様子。「子どもたちが柔道に興味を持って取り組んでくれるのが嬉しいです」
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スライドを映写してキーボードの説明をする小池さん。「配属先では新たにコンピュータ教室を設ける計画があり、私も子どもたちがパソコンを使える環境を整えたいと思っています」

暮らしている市、町、村

赴任前は予想していなかったのが猛暑で、この前の夏は最高気温が48℃まで上がって驚きました。町には高い建物がなく、広大な大地の風景にアフリカに来ていることを実感します。最近は徒歩で学校に通う日もあり、挨拶や立ち話をする顔見知りの町の人々も増えてきました。乗り合いタクシーで行ける隣町のマカドには、大きなスーパーやレストラン、トレーニングジムがあり、任地で手に入りにくい食品の買い出しなどのために週1回行くことが楽しみになっています。

派遣国生活
南アフリカは野生動物の宝庫。同期隊員と共にツアーで訪れたクルーガー国立公園に生息するゾウ
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真っすぐ伸びる赤土の道の先には山々が望める。「活動や生活で悩むこともありますが、風景を見ているとおおらかな気持ちになります」

食べ物

トウモロコシの粉を練って作る餅のような食感の「パップ」を主食に、肉料理やビーツ、ホウレンソウ、バターナッツなどがワンプレートにのった料理がイベントや祝い事の時に出され、主な味つけは塩やスパイスで、塩加減、辛さ、甘味が良い具合に混ざり合って好きな味です。こちらの人たちは肉を焼いて食べる「ブライ」が大好きで、皆で集まって牛や豚、ラム、ダチョウの肉などを焼いて味わいます。専用のスパイスもとても多くの種類があり、私も自炊の際にフライパンで焼いた肉でいろいろな味のスパイスを楽しんでいます。

派遣国生活
トウモロコシや大豆などが並ぶ路上売店。モパネワームという蛾の幼虫も売られていて、300gで500円ほどする現地では高級な食材
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肉が安価に手に入る南アフリカでは炭火で肉を焼く“ブライ”が盛んに行われている

住まい

大家さん宅と同じ敷地内にあるワンルームの建物に住んでいます。壁に隙間が多く昼間のうちに温まってしまうため、夜でも暑くて保冷剤を抱いて寝るのですが、溶けると同時に目が覚めます。シャワーのお湯は太陽光で温める仕組みですが、晴れた日は触れないほどの熱湯が出てくるので、いったん冷まさないと使えない日もあります。助かっているのが洗濯で、大家さん夫人が私の分も洗濯をしてくれるため、他の隊員からうらやましがられています。キッチンはないので、1つだけある棚にIHコンロを置いてそこで自炊しています。

派遣国生活
小池さんの居室はワンルームで、洗面台つきのユニットバスがついている。一角には趣味の筋トレができるようにトレーニングスペースが作ってある

写真提供=小池 毅さん Text=阿部純一(本誌)