社会還元表彰以外にも、各界で活躍する協力隊OVの方々が、
さまざまな場で表彰を受けています。
セントルシア/コミュニティ開発/2016年度2次隊・佐賀県出身
佐賀県国際交流協会 理事長
佐賀県国際交流協会は1990年の設立以来、長年にわたり県の国際交流を促進してきた。近年はこの知見を生かしつつ、県内外国人住民の増加を背景に多文化共生を中心とする活動にシフトし、高い専門知識や倫理意識が求められる医療通訳や災害時の多言語支援でも高い成果を上げている。2019年には「さが多文化共生センター」を開設して、外国人・日本人双方の相談対応を行うなど、佐賀県における多文化共生推進に欠かせない存在である。
黒岩さんが理事長の佐賀県国際交流協会は、「心の国境をなくそう!」をスローガンに地域社会と連携し、外国人の急増に対応しながら共生社会を推進する姿勢が、他地域の団体の模範となる取り組みと評価された。
外国人も日本人もない、人を人として信じ、仲間として助け合っていく、そんな佐賀県を目指していきたいと思っています。
タンザニア/婦人子供服/1966(昭和41)年度2次隊・埼玉県出身
ワスワヒリの会
青年海外協力隊タンザニアOB会
2025年7月に開催された大阪・関西万博の「スワヒリ語デー記念式典」で、日本でのスワヒリ語普及に貢献があった団体・個人に対してタンザニア政府の国家スワヒリ語評議会が表彰を行い、ワスワヒリの会と同会メンバーでタンザニアの初代隊員でもある宇野みどりさんに表彰状とトロフィーが授与された。宇野さんは大学やJICA、外務省、DILAなどでスワヒリ語を教え、NHK国際放送でスワヒリ語の翻訳とアナウンスに長年従事、法廷通訳も行う。スワヒリ語弁論大会の審査員も務め、スワヒリ語の文法書や辞書、書籍3冊、絵本も出版。
日本におけるスワヒリ語の普及、促進、発展への多大な貢献を認められた。
タンザニア滞在中スワヒリ語を習得、帰国後法廷通訳や来日大統領、政府高官の通訳をするなど、国際交流に貢献でき、嬉しいです。
スリランカ/幼稚園教諭/1986(昭和61)年度3次隊・東京都出身
スランガニ 代表
協力隊員として保育施設で活動し、1992年にNGO団体スランガニを設立。以来、貧しい家庭の子どもたちの学びの環境向上支援や幼稚園教諭への研修、絵本25冊を収めた「絵本箱」寄贈などを続けてきた。協力隊での経験とネットワークを生かし、日本とスリランカの人々や組織と連携しながら活動を広げている。近年は、障がい児通所センターの運営に加え、職業訓練施設も設け、子どもたちが安心して成長できる環境と、保護者の交流・支援の場づくりに力を注いでいる。
貧困や障害などの問題を抱えるスリランカの子どもたちが社会とつながり自立できるよう、30年以上にわたり支援してきたことが評価された。
子どもたちや地域の笑顔を大切にしながら、日々の活動に心を込めて取り組んでまいります。
ケニア/青少年活動/2011(平成23)年度2次隊・東京都出身
一般社団法人A-GOAL 代表
一般社団法人アフリカクエスト 理事
公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構職員
日本とアフリカをスポーツでつなぐことをテーマに、チャリティイベントなど多くの人が参加しやすい仕組みをつくり、支援・交流事業を行う。コロナ禍、失業者が増加した2020年にアフリカ5カ国のサッカークラブなどと連携して1万人以上に食料や衛生用品などの緊急支援物資を配布したことをきっかけに、A-GOALの活動を開始。現在は日本で団体職員として働く傍ら、アフリカ各国の人々と連携しケニアの巨大スラム、キベラスラムで2,000人の子どもが参加するユースサッカーリーグの運営・炊き出しや、マラウイでの農業・食堂運営のサポートを行う。
日本とアフリカの間で、異文化間の強固なつながりの構築に貢献してきたことが評価された。
活動を支えてくださっている多くの方と共に受賞したと考えています。これからも、スポーツの力を持続可能な社会づくりに生かしていきます。
Text=新海美保 写真提供=ご協力いただいた各位