ケニア/青少年活動/2011年度2次隊・東京都出身
今年2月24日、都内で開催された「スポーツ・フォー・トゥモロー カンファレンス2026」の場で、私が代表理事を務める一般社団法人A-GOALの活動に対してスポーツ庁長官感謝状を頂きました。このカンファレンスはスポーツ・フォー・トゥモロー(※)の一環で、スポーツを通じた国際交流・協力に関わる各界の人々が集う年に1回の会合です。その中で、「国内外におけるスポーツ国際交流・協力事業や東京2020大会のレガシーを継承・活用した国際的な取り組みを実施し、他団体に参考となる事業を行った正会員」を対象に感謝状が授与されていて、今年の授与団体の一つとしてA-GOALが選ばれたのです。
私がA-GOALの活動を始めたのはコロナ禍が始まった2020年のことでした。私の知人で、隊員時代にお世話になったケニアのサッカークラブ指導者から「ロックダウン下で失業者が増え、食べる物にも困る状況が広がっている」との声が届きました。そこで、アフリカ各地の地域に根差したスポーツクラブへ日本から資金を送り、クラブをハブとして地域住民に食料・生理用品などを届ける緊急支援活動を行ってきました。
また、22年にはケニアの首都ナイロビにあるアフリカ最大級のスラム、キベラスラムでサッカーリーグ「キベラA-GOALリーグ」を創設。今や男女2,000人以上の子どもたちが参加していて、私たちはサッカーを通じた青少年育成や食料提供などを組み合わせて広く社会課題に取り組んでいます。今回の感謝状では主にこの活動を評価していただきました。
そして、この機に初めて実現したのが、このリーグの発起人でチェアマン・副チェアマンを務めているラシッド・ケネスさんとコリンズ・ワソンガさんの来日です。以前から彼らには日本を知ってもらいたいと思っていて、今回の授与式は良い機会だと考えました。2人の到着日は余裕を持ってカンファレンス前日を予定していたのですが、ケネスさんの急な仕事による出発の遅れもあって、結果的にはギリギリのスケジュールになりました。ただ、日本からの招致状などのおかげで途中手続きがスムーズに進んだことも幸いし、当日の開会直前、成田空港から無事に会場へとたどり着いてくれました。
授与式ではケネスさんとワソンガさんが壇に上がり、協力隊OVでもあるスポーツ庁の河合純一長官から感謝状を受け取りました。その後の数日間の日本滞在中には、日本の支援者・関係者と交流してもらい、日本の小学校やスポーツの現場を視察する機会も設けました。日本から大勢の人が活動に目を向けていることを改めて意識して、両人ともリーグの取り組みに対する意気込みを新たにしてくれたようです。
22年から続けてきたリーグの活動が公的機関から認められたことは、A-GOALの一つの節目だと感じています。現在、リーグは9~15歳を対象としていますが、失業率の高いケニアにおいて、その後の進路に対する支援も重要です。そこで今後に向けた展望としては、16歳を超える世代のチームづくりと、日本企業とも連携した雇用支援にも挑戦したいです。アフリカの青少年の未来の選択肢を増やす取り組みに、引き続き努めていきたいと思います。
※スポーツ・フォー・トゥモロー…スポーツを通じた国際交流や国際協力を通じ、世界の人々にスポーツの価値やオリンピック・パラリンピックに係る活動を広げることを目指す、官民連携による取り組み。東京2020オリンピック・パラリンピックを契機に始まった。
Text&Photo=飯渕一樹(本誌) 写真提供=岸 卓巨さん