吉田采海さん

世界の“当たり前”の日常を日本へ発信する
オンラインイベントに同期隊員と挑みました

吉田采海さん

ソロモン/小学校教育/2024年度2次隊・滋賀県出身

JICA Volunteers’ Reports
1回目のオンラインイベント画面。「2回目の開催時には司会役の隊員のネットがつながらず、代わりに他の隊員が進行する一幕もありましたが、臨機応変に対応できました」

   派遣国も職種も違う同期隊員と共に、各自の任地での生活や活動を紹介するオンラインイベント『あたりまえが、まるでちがう!? 世界の日常のぞき見トリップ』を開催したのは、私がソロモンに赴任して約1年後のことでした。

   派遣前の私がソロモンに抱いていたイメージは「物が十分になく、生活が不便そう」「隊員として現地の課題解決を支援しに行く」というものでした。しかし、小学校教育隊員として赴任すると、必ずしも困っているように見えないのです。例えば、子どもたちは遊び道具がなくても、身の回りの物で工夫して遊んでいます。

   むしろ日本よりも幸せなのではないか?と思われる面もあり、「異文化を知ることはとても面白い。これを日本に伝えられないだろうか」と思うようになりました。さらにソロモン以外の国々のことも伝えられれば一層面白いだろうと、駒ヶ根青年海外協力隊訓練所の同期隊員に声を掛けたことが、計画の発端でした。

   参加メンバーは私の他に、スリランカ、ジョージア、ベナン、セネガル、コスタリカ、エクアドル隊員の計7人(※)。イベント内容についてメンバーのInstagramのフォロワーにアンケートを取った結果から、「暮らし」「隊員の活動」の2回に分けて実施することになりました。

   並行して、JICAソロモン支所の企画調査員(ボランティア事業)にイベント実施を相談。所内での検討や企画書提出などで1カ月ほどかかりましたが、無事にOKをもらえました。役割りを分担しての準備では、各自の任地の時差や通信環境も考慮して、極力オンライン会議は避け、LINEで進捗を共有しながら進めました。

   そして2025年12月、記念すべき1回目のイベントを開催。開始は日本時間の19時からで、アフリカや中南米は深夜や早朝になるため、皆には協力してもらいました。この時は「暮らし」をテーマに、言葉や食事、日本との違いについて、7人が10分ずつ発表しました。特に意識したのは、個々の隊員目線で感じたことや驚いたことなど、ネット上にないリアルな情報を入れることでした。

JICA Volunteers’ Reports
紙皿で作った時計の教材を使うなど、児童が楽しめる授業を心掛けている吉田さん

   2回目の開催は26年3月で、テーマは「活動」。この回のメンバーは5人で、持ち時間は1人15分。前回、「臨場感が欲しかった」との声があったため、ジョージアの隊員が配属先の幼稚園を撮りながら話してくれました。その後、ブレイクアウトルームでの質疑応答もしました。

   どちらの回も参加者は50人超と大盛況で、「自分の価値観と異なる視点に触れ、新たな気付きが得られた」「協力隊員の多様な活動内容を知ることができた」など、うれしい感想も数多く頂きました。

   私自身の収穫は、このイベントで活動内容を言語化でき、これからやるべき活動がより鮮明になったことです。日本での教員時代から「楽しさは学びの原点」と信じてきましたが、イベントを通して、その思いはますます強まりました。残りの任期も、児童中心の楽しい授業を一つでも多く行い、彼らの学びへの意欲を高めていきたい。そしてそれを先生方にも伝えていきたいと思っています。


※吉田さん以外の参加メンバー:
杉本あゆさん(ジョージア/幼児教育)、岩倉詩奈さん(スリランカ/日本語教育)、三浦啓瑚さん(セネガル/柔道)、
祖父江なつみさん(ベナン/コミュニティ開発)、寺田有花利さん(エクアドル/言語聴覚士)、
宮﨑祐輔さん(コスタリカ/マーケティング)


Text=池田純子 写真提供=吉田采海さん