佐藤利春さん

SV短期/スリランカ/食品加工/2008年度9次隊、SV/スリランカ/食品加工・流通/2009年度3次隊・長野県出身

スリランカで魚好きが高じて付いた
不思議なあだ名

「おーい、ポトゥバリヤー!」と、任地の漁師たちからよく呼び掛けられていた隊員時代の私。ポトゥバリヤーとは彼らが私に付けたあだ名で、その意味はシンハラ語で魚の“カワハギ”のこと(!)です。

   私が通算2年半にわたって活動したのは、スリランカ南部に位置するウェリガマ市。今でこそリゾート開発が進んでいますが、初めて訪れた2008年当時はまだ貧しい海辺の町といった風情でした。海岸には漁師が水揚げしたての魚を売る簡易マーケットがあり、多様な魚が並んでいました。

   現地の人々はどんな魚でもカレーにして食べるそうですが、私の目的は刺し身にすること。小形のマグロやカツオ、ハタ、そしてカワハギなどのうち、鮮度の良いものを見極めて買っていました。それを自前の刺し身包丁でさばいていたのですが、刺し身目当てに若い隊員たちから近所の猫までわが家に集まるようになったのは、楽しい思い出でもありますね。

   そして、さまざまな魚の中でも私が特に気に入っていたのがまさにカワハギで、いつも「ポトゥバリヤーある?」と聞いて回っていると、やがて顔なじみの漁師たちから“ポトゥバリヤー”と呼ばれるように。彼らにとっても印象的だったのか、昨年久々に現地へ行ったところ、まだ覚えていて「ポトゥバリヤー!」と声を掛けてくれました。

   時には、なぜ自分がカワハギなのか!?とうっとうしく感じることもありましたが、捕れたカワハギを取り置きしてくれたり電話で知らせてくれたりと、仲良くなった漁師たちとの交流を今でも懐かしく思います。


あの日の、地球の、あの場所で。

Illustration=牧野良幸 Text=飯渕一樹(本誌)