遠藤晃敬さん
お話しいただいたのは
遠藤晃敬さん

ヨルダン/体育/2014年度3次隊・愛知県出身

大学卒業後、体育隊員としてヨルダンのパレスチナ難民キャンプに赴任。小学1年生から中学2年生までの男子校で授業環境の改善に取り組む。帰国後、酒類業界での実務経験を経て、2023年にZUMOTワイナリーの正規代理店として「Saint George」の輸入販売を開始。

OB・OGショップファイル
糖度の高いブドウを生み出すヨルダンの砂漠とSaint George。遠藤さんお薦めの 楽しみ方は「開栓から2日目、3日目に一番香りが立つので、その変化を味わうこと」

協力隊時代に出会ったヨルダンワインの味に衝撃
ワイン販売を通じてヨルダンのファンを増やしたい

   ヨルダンワインは“最後の晩餐”のワインとして語り継がれた歴史を持つ。一度は途絶えたそのワインを現代によみがえらせたのが、中東ヨルダンのZUMOTワイナリーだ。遠藤晃敬さんが立ち上げた「ZUMOT JAPAN」は、そこで造られたワイン「Saint George」を扱う日本で唯一の正規代理店。イスラム教徒が9割以上を占めるヨルダンだが、観光業が主要産業の1つということもあり、実はワイナリーやブルワリーも存在する。遠藤さんも協力隊活動の合間に酒を楽しんでいたが、その中で強烈な印象を残したのがSaint Georgeだった。

   ZUMOTワイナリーのワイン造りは、徹底したオーガニック主義。化学肥料などは使わず、自然環境に応じた抵抗力の強いブドウを育てている。ブドウ畑は昼と夜の寒暖差が大きく、夏は強烈な日差しを浴びる過酷な砂漠環境にある。魚を放した溜め池から栄養を含んだ水だけを最小限与えながら育てた糖度の高いブドウから造られたワインはどっしりと濃厚で香り豊か。

   希少なヨルダンワインゆえワイン好きの関心も高いが、小さなワイナリーなので輸入量を増やすことは難しい。最近は中東情勢の悪化もあり、在庫調整に頭を悩ませることも多いという。それでも「今は事業を止めないことに注力しています。継続することで、ヨルダンワインとヨルダンのファンを増やしていきたい」と先を見据えている。

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ブドウ園はヨルダン北東部の州都マフラックにある。その土壌はミネラル分を豊富に含んだ粘土や石灰岩などから成り、ブドウの味に特徴を与える
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製造責任者のエバさんに遠藤さんがワイナリーを案内してもらった時の1枚。樽にはフランスのシャサン社製の熟成樽を使用しており、「樽の香りが良い」という評価も多い

Text=油科真弓 写真提供=遠藤晃敬さん