浅木 麻梨耶(あさぎ まりや)さん

浅木 あさぎ  麻梨耶まりやさん

職  種
青少年活動/体育
派遣国
ブルキナファソ/カンボジア
派遣期間
2014年8月~2014年9月
2016年1月~2016年3月
  • グローバルキャリア
  • # 短期 # リピーター # 学生

短期ボランティアの経験が、
「難民支援に携わりたい」という想いを強くしました。

2016.05

応募のきっかけ

浅木 麻梨耶さん

中学生の時に知ったJICA海外協力隊の存在。
教育分野での参加を視野に大学の学部を選択。

中学生の時に協力隊経験者の先生から開発途上国での暮らしについてお話をうかがっていたので、協力隊については漠然と「面白そうだな」と感じていました。その後、高校生の時に協力隊の要請一覧を見て教育分野の募集があることを知り、子どもが好きで教育に興味を持ち始めていたので、将来はこの分野で協力隊に参加しようと決めていました。大学は教育学部に進学し、「現地で何ができるか」を考えた上で、自分の引き出しを増やして協力隊活動につなげようとしてきました。
 大学3年次、アフリカ関係のイベントを通じて知り合ったJICAの方から、協力隊には短期ボランティアもあることを聞きました。「長期ボランティアに行く前に短期を経験しておくと、将来の方向性を決めやすいのでは」という勧めもあり、青少年活動の職種で短期ボランティアに応募。念願叶って4年次の夏休みに1ヵ月間参加することに決まりました。

現地での活動

廃材で製作したおもちゃで幼稚園児と遊ぶ様子 障がい者と一緒にできるオリジナルのスポーツを考案

ブルキナファソとカンボジアで
遊びを通じた教育と障害者理解教育の活動に参加。

赴任先は、西アフリカに位置するブルキナファソ。当時はエボラ出血熱がまだ収束しておらず、両親からはかなり心配されました。でも、現地事務所から予防接種のアドバイスや現地で気を付ける点など最新の情報を教えてもらえたことで、両親の不安も少し和らいだのではないかと感じています。
 ブルキナファソでの活動は、マリ難民の難民キャンプと地元の村の子どもたちを対象に、さまざまなレクリエーションや学びの機会を提供すること。幼児教育・小学校教育・スポーツ活動・衛生教育に関する活動を、それぞれ1週間ずつ専門の長期隊員と一緒に行いました。
 活動中は、長期隊員の方から子どもたちに掛ける褒め言葉や、注意を促す言葉を教えてもらって頻繁に使うように心掛けていました。子どもたちの関心を引きつけ続けるため、伝え方や接し方などに工夫を凝らす作業は大変でしたが、時間とともに慣れてきて、解決できることも多かったです。
 ブルキナファソでの経験を通して実感したことは、子どもたちが遊びやスポーツなどに没頭して時間を忘れて楽しむことが、いかに彼らの成長にとって大切か、ということ。そのときから教育をベースにしたキャリア形成を考えていたのですが、特にスポーツと教育を結びつけた国際協力について研究したいと考え、「筑波大学大学院スポーツ国際開発学専攻共同学位プログラム」へ第1期生として進学しました。
 在学中には、2回目の短期ボランティアに参加し、カンボジアのNGO「ハート・オブ・ゴールド」で活動しました。活動中、一番大変だったのは文化の違い。時間の感覚ひとつをとっても現地の習慣に甘んじることもできましたが、相手は相手であり、自分たちは自分たち。日本人の姿勢を崩さないよう努めました。任期終了時、現地の方々から「彼らは頑張っていた」と評価をいただいたときは、「見ていてくれたのだな」と嬉しかったです。

帰国後のキャリア

多くの学びを得た短期ボランティア。
難民支援の活動を目指し海外インターンシップを経験。

大学院では、ブルキナファソでの経験をベースに「子どもの没入体験」について研究しています。現在は休学して、NGO「シャンティ国際ボランティア会」の長期インターンシップとしてタイで活動中。短期ボランティアとして2つの地域を経験したからこそ、場所によって問題や状況、考え方は異なる、つまり「問題は単純には比べられない」ということを心に刻んでいます。単純に比較できない地域性や独自性を認識しているので、それを今後の活動へと生かしたいと考えています。
 将来は、できれば最初は現場で難民支援に関わりたいと思っています。ボランティア活動を経験したことで、行政側からは、なかなか現場が感じていることまで把握できないものなのだと実感したためです。現場経験があれば、マネジメントの立場に就いたときにも、現場の声をしっかりすくい上げることができるはず――まだ道半ばですが、これからも経験を重ねていき、夢を叶えたいと思っています。

JICA海外協力隊で得たもの

2つの国の短期ボランティアを経て感じたのは、開発途上国はよく教科書で目にするようなイメージではなかったということ。食べるものがなくて服がボロボロでも、子どもたちは躍動していてよく笑い、とても元気なのが印象的でした。そして、“日本の学生”という肩書が取り払われ、ひとりの「人間」として相手と向き合うことを学びました。そこから「私は何者なのか」とあらためて自分について考えましたし、社会的な立場を取り払い、目の前にいる人と膝を突き合わせて関わることの大切さを学びました。

これからも難民支援に携わっていくことが夢です。

これからJICA海外協力隊を目指すみなさんへのメッセージ

最初は「行ってみないと分からない」という気持ちで飛び込んだ短期ボランティア。短期でどれだけの経験ができるのかと、不安に思う人も多いかもしれませんが、私は短い派遣期間でも数多くのことを学び、将来の夢も明確になりました。日本での学生生活だけでは得られない協力隊での経験が、国際協力への興味をさらに増幅させてくれ、次の目標へと背中を押してくれています。長期ボランティアへの参加に悩んでいる方は「まずは短期で」という道を、選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。

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