西島 百合子さん
青年海外協力隊
Yuriko Nishijima
宇和島市地域おこし協力隊
- 【職場】
- 愛媛県
- 【職業】
- 地域おこし協力隊
- 赴任国
-
ガーナ共和国
- 【赴任地】
- ノーザン州タマレ市
- 【職種】
- PCインストラクター
- 【派遣期間】
- 2016年3月~2018年3月
協力隊で身につけた“まずはやってみる”精神で
宇和島市の観光活性化に活路を見出す
宇和島市役所商工観光課ではつらつとした声と笑顔を飛ばす。青年海外協力隊としてガーナに赴任し、身についたのは
“まずはやってみる” 精神と “やりたいことは即行動・まわりに相談すること” という信条。帰国後、同市の地域おこし協力隊として、
インバウンドを見据え、女性ならではの視点で地域の特性を生かした観光戦略を練り、SNSで発信。
四国の西南、宇和島市へ。
業務はインバウンド戦略
ガーナから帰国し、新たな仕事を探していたとき、宇和島市がインバウンド業務を担当する地域おこし協力隊を募集していることを知り、応募した。仕事探しの軸は、協力隊での経験が活かせること、チャレンジを感じる仕事、地域・給与は気にしないことだった。
現場で生きた父のアドバイス
“まずはやってみること”
大学を卒業し、都内のI Tコンサルタント企業で務めていたが、自分らしさを発揮できる何かにチャレンジしたいと協力隊に応募した。高校時代に電車で協力隊の中吊り広告を見て、困っている人の役に立ちたいと思ったことを思い出したから。
応募に際し、父がかつて協力隊としてフィリピンへ赴任したとはじめて知った。父は「やりたかったらまずは応募してみればいいじゃないか。落ちたらその時はその時。受かったら、受かった時に考えれば良い。まずはやってみなさい」と背中を押してくれた。
現地での活動は、高校を卒業し教員を目指す生徒たちが通う専門学校でパソコンを教えること。内容は電源の入れ方に始まり、マウスやキーボードの使い方、ワード、エクセル、パワーポイントの基礎知識など。
ところがいざ、授業を始めると生徒たちの出席率が悪い。
原因を調べてみると単純に寝坊、さぼり、停電、雨で外に出てこないなど様々だ。学校のカリキュラムも授業が重なるなどのミスがあった。
原因を見つけ、一つひとつ対処しながら「授業に出てほしい」と伝え続けているうち、「先生の授業は面白い」と積極的に受講する生徒が現れ、やがてめきめきとパソコンのスキルが上達した。父が言っていたように“まずはやってみる”の精神で行動してみると、頭の中の悩みなんてバカバカしくなるくらい簡単に解決できた。行動することがいかに大切かを実感した出来事だった。
応募に際し、父がかつて協力隊としてフィリピンへ赴任したとはじめて知った。父は「やりたかったらまずは応募してみればいいじゃないか。落ちたらその時はその時。受かったら、受かった時に考えれば良い。まずはやってみなさい」と背中を押してくれた。
現地での活動は、高校を卒業し教員を目指す生徒たちが通う専門学校でパソコンを教えること。内容は電源の入れ方に始まり、マウスやキーボードの使い方、ワード、エクセル、パワーポイントの基礎知識など。
ところがいざ、授業を始めると生徒たちの出席率が悪い。
原因を調べてみると単純に寝坊、さぼり、停電、雨で外に出てこないなど様々だ。学校のカリキュラムも授業が重なるなどのミスがあった。
原因を見つけ、一つひとつ対処しながら「授業に出てほしい」と伝え続けているうち、「先生の授業は面白い」と積極的に受講する生徒が現れ、やがてめきめきとパソコンのスキルが上達した。父が言っていたように“まずはやってみる”の精神で行動してみると、頭の中の悩みなんてバカバカしくなるくらい簡単に解決できた。行動することがいかに大切かを実感した出来事だった。
チャレンジ精神とSNSで宇和島観光を売り込む
四国は行くことすら初めてだった。
「ピカピカに光る外国人向け体験コンテンツを作れば、観光客は来る。」という仮説を検証すべく、着任早々実現に向けて動き出した。
JR宇和島駅から宇和島湾沖に浮かぶ九島へ橋で渡るサイクリングツアーを実施。日本の昔ながらの生活風景がコンパクトに楽しめるうえ、道行く人たちも相手が外国人であろうが、宇和島弁で躊躇なく話しかけ、高齢者たちがクロッケーに誘い、一緒にプレイする。都会ではありえないことだ。
コロナ禍が深刻になり外国人観光客が激減したため、地元を代表する伝統行事「闘牛」を初めてオンライン配信した。これは四国における観光のオンライン配信の先駆けとなり、マスコミにも取り上げられた。
また、市の女子職員と部署を越えてチームを作り、女性ならではの視点と感覚で地元の魅力をSNSで発信する「宇和島ぐるり(@uwajimajyoshitabi)」の任務も担った。
宇和島の“ウリ”を何にするかをチームで相談し、インスタ映えする写真の撮り方や動画制作を勉強して、投稿数を増強。するとフォロワーは2400と飛躍的に伸びた。投稿は食や体験、観光スポットなど200を超える。コロナ禍の中、フォロワーが何に興味を持っているかをデータ化し、デジタルマーケティングにつなげた。
協力隊では大事なことを学び、大事な想い出ができた。そして人生のどんな場面でも活きてくることを感じた。
ガーナではお金がない、貧困だと言いながら、故郷に誇りを持ち楽しそうに生きている人たちを見て、幸福感について考えさせられた。
帰国後、日常のささいなことにも感謝するようになった。掃除機や洗濯機のありがたさが身にしみ、いつも水が出る喜び、お風呂に入るときの幸せをかみしめるようになった。魚介類や野菜などの食材がおいしく感じる。親切でのどかな宇和島市の人たちに囲まれてのチャレンジ。私の幸福度は上がっている。
「ピカピカに光る外国人向け体験コンテンツを作れば、観光客は来る。」という仮説を検証すべく、着任早々実現に向けて動き出した。
JR宇和島駅から宇和島湾沖に浮かぶ九島へ橋で渡るサイクリングツアーを実施。日本の昔ながらの生活風景がコンパクトに楽しめるうえ、道行く人たちも相手が外国人であろうが、宇和島弁で躊躇なく話しかけ、高齢者たちがクロッケーに誘い、一緒にプレイする。都会ではありえないことだ。
コロナ禍が深刻になり外国人観光客が激減したため、地元を代表する伝統行事「闘牛」を初めてオンライン配信した。これは四国における観光のオンライン配信の先駆けとなり、マスコミにも取り上げられた。
また、市の女子職員と部署を越えてチームを作り、女性ならではの視点と感覚で地元の魅力をSNSで発信する「宇和島ぐるり(@uwajimajyoshitabi)」の任務も担った。
宇和島の“ウリ”を何にするかをチームで相談し、インスタ映えする写真の撮り方や動画制作を勉強して、投稿数を増強。するとフォロワーは2400と飛躍的に伸びた。投稿は食や体験、観光スポットなど200を超える。コロナ禍の中、フォロワーが何に興味を持っているかをデータ化し、デジタルマーケティングにつなげた。
協力隊では大事なことを学び、大事な想い出ができた。そして人生のどんな場面でも活きてくることを感じた。
ガーナではお金がない、貧困だと言いながら、故郷に誇りを持ち楽しそうに生きている人たちを見て、幸福感について考えさせられた。
帰国後、日常のささいなことにも感謝するようになった。掃除機や洗濯機のありがたさが身にしみ、いつも水が出る喜び、お風呂に入るときの幸せをかみしめるようになった。魚介類や野菜などの食材がおいしく感じる。親切でのどかな宇和島市の人たちに囲まれてのチャレンジ。私の幸福度は上がっている。
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宇和島市の名所「遊子水荷浦」をサイクリングでPR
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課内ミーティングに臨む西島さん(中央)
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「うわじま女子旅」のインスタではモデルも務める(左)
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西島百合子さん
Profile - 都内のITコンサル企業を経て、青年海外協力隊に参加。アフリカ・ガーナの教員専門学校でパソコンを教えた。帰国後、地域おこし協力隊として宇和島市役所に勤務。インバウンドを見据えた観光促進に取り組む。
- スピード感、冒険力、突破力に期待
- 一言でいうと彼女はオールラウンダー。場面に合わせて行動でき、スピード感、冒険心、突破力もあります。頼もしいですね。ガーナへ行くという決断、そこで2年間の活動を満了した経験はすごいと思います。宇和島市に訪れる外国船観光客の通訳では語学力を発揮し、「うわじま女子旅」では女性ならではの視点とITの専門家としての技術で、新たな観光PRを開拓。まだまだ力を発揮する引き出しはあるのだろうなと期待しています。
- 宇和島市 市長
- 岡原 文彰さん