
庄田 清人さん
青年海外協力隊
Kiyohito Shota
株式会社 倖乃舎 ゼネラルマネージャー
- 【職場】
- 福岡県
- 【職業】
- 会社員

- 赴任国
-
マラウイ共和国
- 【赴任地】
- ムジンバ県エディンゲニ
- 【職種】
- コミュニティ開発
- 【派遣期間】
- 2014年9月~2016年9月
強い「思い」が物事を動かす
人との縁を繋げて、地方の可能性を広げる
様々な人たちと出会い、夢や思いを実現させてきた。
アフリカから戻って気づかされたのは、「地方だからこそできる」こと。
今は故郷を舞台に、自分と関わる人が自然と繋がり合う「場づくり」を目指す。
難民の特集番組で芽生えた思い
青年海外協力隊でアフリカに

その後、アフリカのために働くことを照準に定め、最短で夢を実現する道を探し始める。サッカーの怪我で理学療法士にお世話になった経験から、リハビリテーションを学ぶために専門学校へ進学。卒業後は、国際保健医療に携わるNPO法人ISAPHの設立母体である、福岡県久留米市の聖マリア病院で勤務を開始した。業務の傍ら、開発途上国へのスタディツアーや海外からの技術研修員との交流などに携わり、アフリカへの思いが日増しに強くなっていったという。ある時、マラウイ共和国でISAPHが関わる協力隊活動の公募を見つける。「理学療法士ではなくコミュニティ開発での募集でしたが、かえって面白そうだと応募を決めました」
これまで、同病院から協力隊を目指す者はいずれも退職していたが、帰国後には途上国での経験を業務に活かしてほしいと、病院側が庄田さんの現職参加※を承認。見事合格を果たし、ついに長年夢見ていたアフリカへの切符を手にした。
※所属先の身分を保持したまま、休職してJICA海外協力隊に参加すること。
ヘルスパスポートの改善
現地政府を動かす
マラウイに派遣された庄田さんは、村を巡回して乳幼児健診を行った。「体重や身長、栄養状態を測るために腕の太さなどをヘルスパスポート(母子手帳のようなもの)に記録するのですが、手帳のレイアウトが分かり難く、年齢を1歳間違えて表に記入してしまうこともありました」ワクチン接種時に年齢を誤れば、乳幼児の健康被害にも繋がる―改善の必要性を痛感した庄田さんは、カメルーンで開催された国際母子手帳会議に参加。他国の事例などに触れる機会に恵まれ、仲間の協力隊員と連携してヘルスパスポートに関する基礎調査を実施し、レポートにまとめた。
「どうすれば政府に改善を促せるだろうか」そんな時、ISAPHの事業報告会に出席していた保健省スタッフに、ヘルスパスポートの改善案を見せる機会を得た。すると、スタッフの目の色が変わり「これはいい!」と絶賛。その人は政府のヘルスパスポート担当者だった。「思いがあれば物事は動かせる、それを実感した瞬間でした」この業務は庄田さんの後任が引き継ぎ、ヘルスパスポート改良版の採用が決まった。
「どうすれば政府に改善を促せるだろうか」そんな時、ISAPHの事業報告会に出席していた保健省スタッフに、ヘルスパスポートの改善案を見せる機会を得た。すると、スタッフの目の色が変わり「これはいい!」と絶賛。その人は政府のヘルスパスポート担当者だった。「思いがあれば物事は動かせる、それを実感した瞬間でした」この業務は庄田さんの後任が引き継ぎ、ヘルスパスポート改良版の採用が決まった。
“外”を見たことで俯瞰できるようになった故郷
帰国後、新設された聖マリア病院のヘルスケアセンターに配属されたが、家庭の事情もあり、1年半後に故郷の飯塚市へ戻った。久しぶりの故郷は協力隊に行く前とは違い、俯瞰して見られたという。「人口約13万人の中都市でどれだけあがけるか」次の一歩が決まった。
2018年、個人事業主として地域のヘルスケアに関わりながら、協力隊経験を学生らに話す出前講座やグローバル教育の講師を担当。また、立命館アジア太平洋大学出身のマラウイ人、ローレンス・カチガンバ氏と任意団体「JA-Net」を設立し、マラウイと日本の子どもをインターネットで繋ぐなど、国際理解の普及に取り組み始めた。飯塚国際車いすテニス大会では、理学療法士として海外選手のケア兼通訳も担当した。「地方でもできることがあり、地方ならではの可能性を見るようになりました」と庄田さんは振り返る。
2020年、株式会社倖乃舎にゼネラルマネージャーとして入社。同社がリノベーションを手掛け、市民の憩いの拠点となった「サンカクビルヂング」を核にしながら、市街地の活性化に取り組んでいる。商店街では自由に子どもが遊び、商店主たちがその様子を見てくれる。そして、地域に住む外国籍の人々が個性を活かした商売をする―そんなコミュニティづくりに励む日々だ。「目標は『水』みたいになくてはならない存在になること。自分と関わる人が自然と繋がり合う『場』をつくっていきたいですね」
庄田さんの第二の“コミュニティ開発”は始まったばかりだ。
2018年、個人事業主として地域のヘルスケアに関わりながら、協力隊経験を学生らに話す出前講座やグローバル教育の講師を担当。また、立命館アジア太平洋大学出身のマラウイ人、ローレンス・カチガンバ氏と任意団体「JA-Net」を設立し、マラウイと日本の子どもをインターネットで繋ぐなど、国際理解の普及に取り組み始めた。飯塚国際車いすテニス大会では、理学療法士として海外選手のケア兼通訳も担当した。「地方でもできることがあり、地方ならではの可能性を見るようになりました」と庄田さんは振り返る。
2020年、株式会社倖乃舎にゼネラルマネージャーとして入社。同社がリノベーションを手掛け、市民の憩いの拠点となった「サンカクビルヂング」を核にしながら、市街地の活性化に取り組んでいる。商店街では自由に子どもが遊び、商店主たちがその様子を見てくれる。そして、地域に住む外国籍の人々が個性を活かした商売をする―そんなコミュニティづくりに励む日々だ。「目標は『水』みたいになくてはならない存在になること。自分と関わる人が自然と繋がり合う『場』をつくっていきたいですね」
庄田さんの第二の“コミュニティ開発”は始まったばかりだ。
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マウライ出身のローレンス氏(右)と。日本とマラウイをICTで繋ぎ、グローバルなWeb交流授業が学校教育の「当たり前」になる日を目指している。
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飯塚高校にて協力隊の体験談発表。学生に多文化共生の意義を伝えるなど、地球の未来を担う次世代の育成にも携わっている。
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「サンカクビルヂング」ではグローバルイベントを開催し、市民に国際的な体験ができる場を提供している。
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庄田 清人さん
Profile - 福岡県出身。リハビリテーションの専門学校を卒業後、福岡県久留米市の聖マリア病院で理学療法士として勤務。2014年、青年海外協力隊に現職参加してマラウイで活動。帰国後、同病院に復職。その後、地元飯塚市に戻り、2018年に個人事業を開始。協力隊経験の出前講座や地域のヘルスケアに関わる活動を行う。2020年より、株式会社倖乃舎のゼネラルマネージャーとして勤務。
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協力隊で培った人と接する力が活かされている
- 我が社では、不動産事業に取り組んできた私がハード面を担当し、庄田さんにはコミュニティづくりなどのソフト面を担当してもらっています。医療職出身で病院の中の世界しか知らないと、企業経営者を中心としたクライアントとの商談は難しい。庄田さんの場合、協力隊でいろんな人に会った経験が活かされていると思います。人前で話すことに長けている点も武器。どんどん、いろんな人と繋がってほしいですね。

- 株式会社倖乃舎 代表取締役
- 稲富 隆太さん
