経営塾フォローアップセミナー実施−経営塾クラブが現場での適用を視察−

2015年11月27日

ベトナム日本人材協力センター(VJCC-ハノイ)では、長期の経営者育成コース「経営塾」(第7期)を実施していますが、この経営塾の同窓会組織「経営塾クラブ」のイニシアティブにより、11月14日(土)、経営塾フォローアップセミナーを開催しました。今期第1回目となる同セミナーでは、経営塾第1期受講生のMr.Huyが社長を務めるViet Duc 社を訪問し、同社がどのように経営塾で学んだことを、実際に自社で適用しているか視察しました。第1期から6期の元受講生20名と、第7期受講生12名、合わせて32名が参加しました。

自社での活動を語るViet Duc社のHuy社長

Viet Duc社はコンクリート製品を製造・輸出している会社で、2003年の設立後順調に発展し、いまやベトナム北部ではそのブランドが確立されています。数多くの顧客の中には、日本のゼネコンも含まれています。経営塾には第1期の他、第6期、第7期にも同社幹部を参加させています。

同セミナーでのプレゼンテーション冒頭で、同社のHuy社長が「私が経営塾に参加した第1期(2009年)には、本当に自社を改善したいと思う企業11社が参加していた。経営塾のお蔭で日本式経営を実践でき、会社を発展させることができた。」と述べ、経営塾で習ったことを少しずつスタッフに伝えて実践に移していったとお話されました。

熱心に聞き入る経営塾クラブメンバーと現塾生

経営塾では、まず企業は自社の理念・方針を構築することを学びますが、Viet Duc社もそれに倣い、「着実に経営して美しい生活に貢献する」を理念とし、「人を尊敬する」を方針としたそうです。また、社風として、サプライヤーとカスタマーとの良好な関係を目指して「一緒に協力、一緒に発展」すること、また、「スタッフが自分の会社を誇りに思う会社づくり」を目指したとのことです。スタッフには高品質・納期を守ることで得られる信用の重要さを伝え、外部の方から「おたくのスタッフは、自分の会社が好きだね。」と言われるようになったそうです。

また、経営塾では「人材開発と育成」についても学びます。Viet Duc社は、自社発展の戦略としてスタッフの人材育成に重点をおき、スタッフ研修の実施、パフォーマンスに応じた報酬制度の構築、キャリアパスの最終地点として、子会社を作り社長のポストも用意したそうです。また毎年スタッフ旅行(近年は海外へ)を実施するなど、スタッフのモーティベーションを維持した由です。

経営塾クラブ代表のSECOIN社Bao部長より記念品を授与されるHuy社長

特にこの5年間の著しい成長は、良いサービスを提供することでのブランドの確立、また他社より早いイノベーションの実施によるとのことです。経営塾で学んだことの自社への適用について、「学んだことの中から必要と思われることだけを選んで適用た。適用に際しては、シンプルにすることが大切だと思う。」とも語っていました。

長年、経営塾で経営戦略を教えているJICA専門家の戸田講師は、Viet Duc 社の実践に対し、「戦略を立て、それを実際のプラン、アクションに落とし込んでいったところが素晴らしい。戦略の中心に人を据え、スタッフのエンパワーメントを常に考えていること、またサプライヤー、カスタマーとのネットワーク構築も素晴らしいと思う。」とコメントしました。
最後にHuy社長が、改革の実践について、「まず社長自らが指導することが大切。そうでないとスタッフはついてこない。今は宇宙にも行ける時代。改革をすすめるに際し、NOということはない。」と語ると、経営塾クラブから大喝采を浴びました。