埼玉県知事がVJCCインスティチュートを訪問

2018年11月5日

上田知事と貿易大学学長との面談の様子

 10月26日(金)に、上田清司知事を代表とする埼玉県調査団がベトナム日本人材開発インスティチュート(以下VJCC)を訪問されました。埼玉県産業労働部、県経営者協会及び県内民間企業と銀行からの県内の産業界を代表する14名が調査団に参加されています。

 冒頭、貿易大学学長との面談において、上田知事から、埼玉県の概要に加え、特にベトナムへの進出に興味を持っている企業が多いこと、埼玉県に留学に来たベトナム人学生や技能を身につける実習生が増えてきている現状などの紹介がありました。貿易大学Tuan学長からは、同大学がベトナム全国250の中でトップクラスに位置付けられていること、米、英、日、韓等の世界の150大学と提携し、学生交流や教育連携を進めていることが紹介されました。両者は、VJCCで実施されている経営塾(※1)や日本式国際経営学部(※2)が、今後の埼玉県とベトナムにおける企業間のビジネス交流や、管理職候補としての人材確保という観点で、非常にポテンシャルが高いことを確認しました。

講演の様子

 埼玉県は、2012年に計画投資省と覚書を締結し、2013年から外国投資庁の中に埼玉デスクを設置し、積極的に県内企業の進出を後押ししています。一方、VJCC では経営塾で日本式経営を学んだベトナム人経営者が400名を超え、日本企業との取引を望んでおり、今後のビジネスマッチングが期待できます。また、埼玉県では、これまで技術者確保を念頭にハノイ工業大学などの工学系の大学と連携してきましたが、今回は企業からの要請を踏まえ管理部門の人材の確保も念頭に貿易大学との関係強化を望んでいます。VJCCでは、昨年より日本式国際経営学部が新設され1年生85名、2年生70名が学んでおり、3年後に卒業生が輩出され、県内企業への就職の可能性も期待できます。

 今回、上田知事は、同学生に対し「Why Saitama and Expectation for FTU students」というテーマで講演を行いました。ここで、埼玉県の高い経済ランク、豊かな自然、便利な生活など魅力的なポイントが説明され、学生は大いに関心を持ち、活発な質問がされました。政治家を目指している学生からは、なぜ埼玉県の犯罪件数が過去10年大きく抑えられる結果となったのか?との質問がなされ、知事からは、行政サービスに加え、地域による自主的なパトロール「わがまち防犯隊」や地域安全マップの導入などの活動が紹介されました。

 今回の講演をきっかけとして、埼玉県の訪問団とVJCC及び貿易大学の在校生との交流が深まり、今後の両者のWin-Winの関係が発展することが期待されます。


※1 経営塾とは2009年に開始された日本式経営の研修で、月5日間、9時から16時半まで6時間の授業及び実践を10か月にわたり実施するプログラム。人数は30人、現在はハノイ2、ホーチミン1、ハイフォン1の計4コースが実施されている。
※2 日本式国際経営学部とは2017年4月にVJCCが貿易大学内のインスティチュートとして正式に認定されたのを契機に同年9月より開設した学部。一般教養及び専門経営の56科目から構成され、“Japanese Culture and Cross-Culture in International Business”, ”Japanese Business and Economy”, “Monozukuri”, “Japanese Human Resource Management”, “ V-BIZ Business Plan 1, 2, 3”, Japanese Business Communication and Organizational Behaviorsなどの科目の履修が義務付けられている。