キルギス日本センターとキルギス国立総合大学付属高校日本語コースの包括的協力が始まりました

2022年4月30日

4月27日にキルギス国立総合大学(KNU)とキルギス日本人材開発センター(KRJC)の間で、協力協定改定署名式が行われました。その柱の一つに、外国語教育を特徴とするKNU付属高校日本語コースとの包括的な協力活動が含まれています。これを踏まえ、4月29日、同日本語コース新教室の開所式が行われました。

KRJCとKNU付属高校は、共にKNUの7号館に位置しています。昨年9月に、KRJCスタッフの一員であるメーリバンが、KRJC業務と並行してKNUとの契約の下、付属高校の日本語講師に就任。彼女を通じ、これまで特に関係を有さなかった双方の交流が始まりました。そして、付属高校が抱える日本語教育面での諸課題を共有し、KRJCが提供可能なリソースを通じて側面支援することにより、それら課題の大きな改善に繋がり得ることもわかりました。これは、同時にKRJCのキルギスにおける日本語教育・普及活動の目的に合致するものでもあります。

双方は、昨年12月から具体の連携方策につき協議を重ね、国際交流基金派遣の日本語専門家による特別講義、日本国内の日本語学校との結び付けの支援、教育環境の整備支援等9項目からなる連携内容につき合意。これを契機に、KNUからは日本語コースの学生向けに新たな教室が用意され、KRJCは新教室に日本語教材や備品等を寄贈し、開所式が開催されたものです。こうして、将来の日・キの懸け橋となる生徒たちの未来に繋がる協力関係が始動しました。

そして、丁度この日は、双方橋渡しに重要な役割を担ったメーリバンのKRJCでの勤務の最終日でもありました。彼女は文部科学省の国費留学生として、今年5月に訪日予定。お茶の水女子大学の修士課程において、将来のキルギスにおける日本語教育の発展への貢献を見据え、児童向け日本語教育の研究に取り組みます。

彼女は相互交流課のスタッフとして、キルギスと日本の教育機関間の橋渡しに強い想いを持って粘り強く取り組み、いくつもの成果を挙げることに貢献してきました。KRJCは、両国の様々な組織や人々を結ぶプラットフォーム機能の強化をその組織目標としています。その目標への取り組みには、ベースとして各種の戦略・スキル・経験やナレッジの蓄積等が必要となります。しかし、それだけではなく、各人の根っこの部分での「決意や熱意」といったものが、日々生じる難題を乗り越え、ひとつずつ前に進めていくための原動力として如何に大切かを、彼女は示してくれました。KRJCでは、このような想いを大切に育み、共有しつつ、これからも両国を結ぶ取り組みを進めて参ります。

メーリバンが日本留学を経て、KRJCで働いた仲間として、将来のキルギスと日本の大きな架け橋として更に成長し、活躍していくことを願い、応援しています。

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