JICA海外協力隊の活動は自発的参加の精神に基づき行われますが、受入国での活動をよりスムーズで効果的なものにするため、JICAは以下のような支援を行っています。なお、1年未満の短期派遣につきましては、待遇と諸制度が異なります。詳しくはJICA海外協力隊ウェブサイトをご覧ください。
受入国での生活費は、JICAが国ごとに定めた金額を支給します。金額は、JICA海外協力隊としての趣旨に基づき、受入国の住民と同等程度の生活を営むに足る金額を、物価、為替変動等を勘案の上、定めています。なお、現地生活費は現地の生活のための手当であり、給料や報酬ではありません。
住居は、原則として受入国政府の提供による現物支給となります。国によっては、他のJICA海外協力隊、他国ボランティア、現地の方と住居をシェア(寝室は各個人専用)する場合や、ホームステイになる場合もあります。
日本と受入国との往復にかかる赴帰任時の旅費(航空賃・交通費・日当・宿泊費等)は、JICAが負担します。
受入国での配属先が抱える様々な問題の中には予算的な問題もあり、効果的な活動が期待できない場合があります。この状況を先方の自助努力を促しつつ解決するために、JICAが活動経費を一部支援する場合があります。
隊員が活動中、技術面で困難な問題に直面した場合などに、各分野の技術に精通している専門の方々からアドバイスを得ることができます。
隊員の休日や休暇の取得方法は、配属先の決まりに従うこととなります。また、配属先の有給休暇の日数内でJICAの定める日数を限度として、私費による任国外旅行が認められており、この範囲内で日本へ帰国することもできます。なお、取得条件等の詳細は、派遣前訓練で改めて説明します。
無給休職または無職の方には、派遣前訓練期間中(集合型訓練のみ)や派遣中に国内で支出が必要な経費等に役立てるために手当を支給します。ただし、65歳以上の方は、支給対象外です。短期派遣の派遣前訓練期間中は不支給です。
シニア案件で派遣される方には、派遣期間が30日以上で経験者手当を支給します。有給休職・無給休職・無職の別を問いません。
長期派遣の方で無給休職または無職の方には、当初の派遣期間を満了した場合に、協力活動完了金を支給します(派遣期間の一部に有給休職を含む場合は、適用対象外)。
派遣中の隊員は「海外居住者」扱いとなり(公務員を除く。公務員の方は所属先によくご確認ください)、任意で国民年金に加入することになります。未加入であると、当該未加入期間は、年金額の算出の際に除外され、年金が減額されたり、派遣中の事故に起因する後遺症について障害基礎年金が受け取れないなどの不利益が生じる場合がありますので、JICAは、出発前に加入手続きを行うことを強く勧奨しています。なお、手続きは隊員ご自身が行なうことになっておりますので、詳細はお近くの年金事務所などにご確認ください。
なお、現職参加者については厚生年金または共済年金が継続されない場合もあります。年金の取扱いについては所属先にご確認ください。
年金を受給されている方は、JICA海外協力隊としての派遣期間中も引き続き年金を受給することができます。しかし、所得税法上、非居住者となるため、原則として年金給付額の約20%相当額が源泉徴収されます。確定申告すれば還付される場合もあります。詳細は、税務署等にご確認ください。
雇用保険加入者が退職して参加する場合、離職後に雇用保険の受給期間の延長手続きを行うことにより、帰国後に雇用保険の受給が可能になります。該当する方は手続きを行うことをお勧めします。ただし、離職のタイミングまたは手続きの誤り等により給付制限期間(3ヶ月間)が加えられる場合もありますので、注意が必要です。特に離職日(退職日)が派遣前訓練開始日から1ヶ月以上前に設定されていると、退職理由が「JICA海外協力隊など公的機関が行う海外技術指導による海外派遣」と認められないケースがあるようですので、離職日の設定については特にご注意ください。ハローワークで行っている「教育訓練給付制度」についても適用対象期間を延長することができます。雇用保険の手続きは隊員ご自身が行うことになっております。詳しくは最寄りのハローワークにお問い合わせください。
海外にお住まいの方が、JICA海外協力隊に応募される場合、二次選考の日本までの旅費は応募者の負担となります。なお、海外にお住まいの方の内、JICAに「海外居住者」と認定された方は、派遣前訓練参加旅費及び赴帰任経費、諸手当等の待遇が日本にお住いの隊員とは異なる点があります。また、「海外居住者」の方は生活の拠点がある国へ隊員として派遣されることはありません。「海外居住者」の要件等、詳しくは「参加される場合の留意点」をご参照ください。
JICA海外協力隊事業は単身者を派遣する事業です。そのため、JICAは協力隊員のご家族等の私的渡航自体を禁止する立場にはありませんが、ご家族の帯同や随伴は制度として認めていません。また、JICAとして私的渡航をされる方への各種支援は困難です。協力隊員が派遣される途上国の治安情勢や医療事情等は本邦と比べ十分ではないことから、ご家族等の私的帯同・私的随伴を控えることを強く推奨します。協力隊員は自身のご家族等の私的渡航に際し、安全・健康管理等にかかるリスクについて、十分に考慮する必要があります。ご家族等の私的渡航に際し、JICAとして査証取得等を含めた各種支援は困難ですので、予めご承知置きください。