できることから貢献する

2022年2次隊 タイ派遣予定 伊藤 弘光(職種:廃棄物処理)
実習場所:岩手県陸前高田市
コンポストの製造 コンポストの製造

グローカルプログラムに応募した理由は、私の派遣国であるタイは農業国ですが、私は農業について知見が無く、募集案内を見て、廃棄物処理の視点で、農業に関する経験ができるのではないかと思い、応募しました。

着任当初は、まず実習先の皆さんとの融和を念頭に、実習先の方々の業務補助から入りました。実習先と関連する会社や人々との交流を通し、自分のいる場所の環境を理解していきました。

実習先は、東日本大震災で甚大な被害を受けた陸前高田市で、電力の小売事業、観光客と市民の足としての電気バス、ソーラーシェアリング等の新規事業を立上げ、街起こし・街の活性化に力を入れていました。同社の代表は、新規事業であるオーガニックランド(農業公園施設)の経営にも携わり、いずれも環境保護に関連するものでした。

日々、一緒に仕事をする中、応募理由や派遣予定国であるタイの要請事項等を話し、実習テーマへの協力をお願いしました。実習先は、CAMOCYという発酵食品をテーマとした5店舗がある同じ建物に入っており、オーガニックランドもレストランや軽食を扱う店が入っていました。この2施設から出る廃棄物を削減したいとの意向で、両施設の廃棄物組成を目視確認し、生ごみのコンポスト化を提案、研修テーマとしました。また、実習先の仕事への協力もテーマとしました。

市内を走るグリーンスローモビリティ 市内を走るグリーンスローモビリティ

まず、ごみ発生量調査から始め、コンポスト製造方式を検討することとしました。当初、CAMOCYとオーガニックランド双方の生ごみを一括してコンポスト化する計画でしたが、オーガニックランドから「まず自所の生ごみで実施した後、CAMOCYの生ごみ受入れを検討したい。」また、CAMOCYからは「まずは、小規模でコンポストを見せて欲しい。」との意向を受け、個別に対応することとしました。CAMOCYでは、「キエーロ」「段ボールコンポスト」「小規模高倉式コンポスト」の3方式で、オーガニックランドでは、「高倉式コンポストの中規模」で実施しました。

CAMOCYへは、耐久性、手間が少ないこと、屋外設置可、台数増で処理量UP可等からキエーロ方式を推奨し、担当者にコンポスト製造要領の説明、ごみ重量調査データの引渡し、引継ぎを行い、実習を終えました。また、オーガニックランドでは、責任者へ高倉式コンポストの製造要領の説明、ごみ重量調査データの引渡しと菌床作りを一緒に行い、それを完了して実習を終えました。

2つ目のテーマでは、電気バス:グリーンスローモビリティ事業で、週末及び祭日(GW期間)に観光客へ電気バスの説明や市内観光案内、平日は市民の足としてのPR活動を実施し、全国から来る観光客や市民との触合いがありました。また、椿茶事業立上げに近隣中学生の植樹活動にも協力し、ここでも街起こしに取組む人達と知り合い、甚大な災害に合いながら明るく力強い姿に感動しました。

実習では、実務を学んだだけでなく、この地の人の姿に感動し、自らを振返る場を頂き感謝しています。