私は2022年4月〜6月まで、岩手県陸前高田市のぶらり気仙でのグローカルプログラムに参加しました。私は春に大学を卒業したばかりで社会人経験がなかったため、いきなり海外に赴くことには不安がありました。
そんな中、訓練入所前に派遣国の活動と似たような経験ができるこのプログラムはとても魅力的でした。グローカルプログラムは必ずしも自分の要請や職種が活かせるわけではありませんが、だからこそより派遣国での活動に近い体験ができたと考えています。
私は陸前高田で主に①ぶらり気仙の公式インスタグラムの運用②地元の漁師さんの漁やイベントの手伝い③ジビエ事業の検討④野生動物関連のイベントに携わりました。
ぶらり気仙さんが特に親密に関わっていらっしゃる漁師さんを紹介していただき、わかめ、めかぶ、牡蠣、うに、イシカゲガイなどさまざまな漁師さんの作業を手伝わせていただきました。地元の方々に溶け込み、共に仕事をする中で親睦を深め、「自分がやりたいことやできること」と「現地の方が自分にやってほしいと思っていること」のすり合わせを徐々にしていく経験ができました。今まで海と深く関わったことのなかった私にとって、陸前高田市での生活は初めて体験することばかりでした。たとえ自分が今まで関わらなかった分野、苦手意識のあった分野でも、積極的に現地の方に聞いたり頼ったりすることで物事が少しずつ進展していくことを肌で感じることができました。
陸前高田市には私が派遣された時点では動物園や博物館がなかったので、ぜひ自分の職種と絡めて何かできないかと思い、派遣先の許可を得て企画させていただきました。3ヶ月という期間はかなり短く1からイベントを企画し開催するのは至難の業でしたが、イベントを通して協力してくださる方、人を紹介してくださる方もおり、積極的に人と関わり助けを求めることで応えてくださる方がいることを実感することができました。
野生動物と環境に関して親子で参加できるイベントを企画した。展示物も作り、ミニ博物館のような会場を作った。
上記の活動を通して、もちろんよかったことだけではなく、学びや反省点も多くありました。人付き合いの仕方や物事の進め方など、上手くいったことも上手くいかなかったこともあります。何かを成功したり失敗したりした経験は、現地で活動を行う際の自信や改善策に必ずつながると思います。出国前にこのような経験ができたことは、これから協力隊として派遣される私の財産です。既存のコミュニティの中に身ひとつで乗り込むことは、たとえ日本だとしてもなかなかできない体験です。このような機会を与えてくださったJICA、JOCA、陸前高田市の皆様に心より感謝申し上げます。陸前高田市の皆様にはプログラム期間中本当に良くしていただき、充実した3ヶ月を送ることができました。派遣中も引き続き関わり、帰国後はまた戻ってきたいなと思っています。